本間 政雄
職員採用試験・・法人化第1期生の誕生間近!
去る5月23日、国立大学法人等職員統一採用試験が近畿地区で実施され、5,540名が受験した。申込者は6,976名だったので受験率は79.4%であった。ちなみに、昨年の国家公務員試験II種の申込者は約9千名であったが、これは財務局や法務局、経済産業局など各省庁の地方支分局全部を対象にしたものであり、法人化後の国立大学に従来の公務員志望者以外の層も応募してきたのではないかと考えられる。
近畿地区全体の大学等の採用数は、事務系59名、図書系5名、技術系22名であり、応募倍率はそれぞれ87.1倍、39.2倍、9.5倍に達する。京大では、法人化後の大学運営を支え、教育・研究・医療活動を支援するこれらの職員こそが大学の発展に死活的な重要性を持つと考え、意欲的で能力の高い職員を採用するため、あらゆる手立てを打ってきた。
まず、ホーム・ページで詳しく大学職員の仕事の内容を説明し、立派な職員採用パンフレットを作成し、京都、大阪、神戸で業務説明会を開催した。説明会にはどの会場も予想を倍以上も上回る参加者が詰め掛けてきたし、採用パンフも8千部印刷したが飛ぶようにはけていった。次いで6月7,8,9日には、「機関訪問会」を開催し、合計528名の参加者があった。この場には人事担当理事である私が出席して、1時間15分にわたり、これからの京大職員に求められる資質や京大の将来の方向性などについて説明したし、質疑応答にも応じた。昼食をはさんで職場見学も実施した。
6月30日に1次試験の合格発表を行い、7月1日から2次試験として小論文、面接試験を行うが、応募者には本人の職務の希望や資格、特別な能力などについて詳細に記入した「シート」を提出してもらい、最終面接には私のほか、教員の視点を加味するため東山教育・学生担当理事兼副学長にも加わってもらうことにしている。また、人事・事務合理化に関する総長特別顧問の平井紀夫氏にも、都合のつく限りオブザーバーとして加わってもらえればと考えている。
訪問会では、私は「是非採りたいという人がいれば、10名の採用枠を超えることもありうるが、採りたい人材がいなければ一人もとらないこともありうる」と言ったが、これは半ば本気である。厳しい効率化係数、経営改善係数が課される中で、大学職員に求められる仕事は量的に増大し、仕事の内容は高度化、複雑化、専門化する一方であり、これからの京大にはチャレンジ精神が旺盛な若い血が必要である。現職の職員の能力、資質を高めることはもちろん最優先課題であるが、10年後、15年後の京大を支える新人に求めうる最良の人材を得るかどうかで大学の将来が左右されると言っても過言ではないと思う。
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