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京都大学メールマガジン Vol.76
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目次:
◆総長メッセージ 京都大学総長 松本 紘
◆今月のトピックス 京都大学ホームページ上に、ノーベル賞受賞の特設ページを開設
◆「AUN Educational Forum and Young Speakers Contestに参加して」
教育学部 中村 優士
◆大学の動き
◆研究成果
◆イベントのお知らせ
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◆総長メッセージ 京都大学総長 松本 紘
「山中伸弥iPS 細胞研究所長・教授のノーベル生理学・医学賞受賞にあたって」
10月8日(月曜日)に、本学の山中伸弥iPS細胞研究所長・教授のノーベル生理学・医学賞受賞が決定されました。本学からは8人目のノーベル賞受賞者となります。受賞発表が休日に行われたこともあり、山中教授のみならず、私を含め役員も職員も、取材対応などに忙殺されることになりましたが、本学にとって大変名誉なことであり、一同うれしい悲鳴を上げています。私の総長就任以来、本学関係者から二度目、三人目のノーベル賞受賞となり、その幸運を深くかみしめています。
山中教授の独創的な発想とたゆまぬ研究活動が、今回のノーベル賞受賞の原動力となったことはいうまでもありませんが、山中教授の画期的な論文が発表された直後に、私もその重要性を強く認識し、当時の研究担当理事・副学長として、本学としては異例といえるスピードでiPS細胞研究センターを設立し、総長に就任後にはiPS細胞研究所の設立などを実現できたことは、全学の皆様のご協力の賜物と深く感謝申し上げます。
また、iPS細胞研究には、日本政府、総合科学技術会議、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、内閣府、日本学術会議、科学技術振興機構、日本学術振興会をはじめとする関係諸機関からも様々なご支援もいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今回の受賞は、我が国の基礎的な研究力の低下が懸念されている中、研究水準の高さを証明する出来事であり、本学の研究者のみならず、我が国すべての大学の研究者にとっても大きな自信と励みを与えるものと思います。
また、研究者のみならず、我が国の未来を担う子ども達にも、科学のすばらしさを伝えるとともに、科学への関心や憧憬を喚起し、大きな刺激を与えるものと考えています。第二、第三の山中教授を輩出していくためにも、子ども達への教育や若手研究者への支援について、日本全体で検討していかなくてはならないとの思いを強くしました。今回の受賞を契機に、我が国の大学、政府、関係機関が、思いを新たに、基礎研究の強化や人材育成に一丸となって取り組み、社会のさらなる発展に貢献していかねばなりません。本学としても微力を尽くしてまいります。今後とも温かいご支援をいただきますようお願い申し上げます。
◆今月のトピックス
○京都大学ホームページ上に、ノーベル賞受賞の特設ページを開設
既報のとおり、山中伸弥 iPS細胞研究所長・教授(物質-細胞統合システム拠点 連携主任研究者)のノーベル生理学・医学賞受賞が決定しました。
それに伴い、京都大学ホームページでは、特設ページを開設しています。
以下のページよりご覧いただけます。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121008_1.htm
◆「AUN Educational Forum and Young Speakers Contestに参加して」
教育学部 中村 優士
私はアジアが好きである。初めて訪れた異国の地はタイであった。‘微笑みの国’と称されるその国は、活気に満ち溢れ、人々は温かく、私にとってとても居心地の良い場所であった。これは大学1回生の時、本学のプログラムに参加し経験した、私にとって初めての海外渡航であった。これを皮切りに、時間があるたびアジアへと足を運んだ。今まで訪れたアジアの国は、タイ・カンボジア・ミャンマー・中国そしてベトナムである。このベトナムでの経験は私にとって非常に貴重な体験となった。
私は今年の6月にベトナムで開催されたAUN Educational Forum and Young Speakers Contestに参加した。ASEAN+3各国(ミャンマーを除く)から大学生がホーチミンに集まり、議論や文化交流を行うフォーラムである。このフォーラムを通して、実感し、学んだことは数えきれないほどであるが、最も強く感じたことは、世界の中にアジアがあり、アジアの中に日本がある、ということである。例えば、移動中にバスの中を見渡すと、同じような背格好をし、同じような顔つきをした人々が白い歯を見せ笑っている。よく見ると日本人では、ない。でも、アジア人だ。そう思いを巡らすと、不思議と安堵した。今思い返すとその正体はアジア人としての連帯感なのかもしれない。
この連帯感こそ、現在のグローバル社会の中で大切にしなければならないものであると、私は思う。アメリカ経済が停滞し、欧州も金融危機に直面している。このような状況下で世界がアジアに向けるまなざしは熱い。中国はいずれ世界一の経済大国になるだろう。ミャンマーも民主化した。これからどんどんどんどん地域として発展していくことは間違いない。日本は先進国であることは確かだ。しかし決して驕ることなく、各国の文化に基づいた発展を手助けしていこう。それこそが我々の役割であると思う。そしてアジア人みなで手を取り発展していけば、アジアという地域は世界一幸せな地域となるだろう。
このような机上の空論を口にすることができるようになったのも、このフォーラムに参加し、アジア人として物事を考えるきっかけを与えてもらったからである。では、私自身これから何をしていくのか、どのようにこの経験を還元していけるのかはわからないが、次の2点を当面の目標としたい。第一に、このフォーラムで築かれた絆を大切にしたい。この夏休みに早速フォーラムで知り合ったタイの友達に会いに行った。SNSの発達でいつでも文字交換はできるが、やはり私は実際に会うことを大切にしたいと思う。そして第二に、来年の1月から香港中文大学に留学するのだが、その場で再びアジア各国の学生と顔を突き合わせ、自分たちの、アジアの将来について語ることができれば幸いである。
私はアジアが好きである。こう、すべてのアジア人が言えるように、私自身に何ができるかしっかりと考えていきたい。
◆大学の動き
○英国ブリストル大学と京都大学との間で大学間学生交流協定を締結しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121017_1.htm
○英国サウサンプトン大学と京都大学との間で大学間学生交流協定の調印式が行われました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121018_1.htm
○京都賞ウィークに関連して高校生対象に講義および研究室見学を行いました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121023_2.htm
○森純一 国際交流推進機構長が第3回産学連携フォーラムに参加しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120919_1.htm
○学術情報メディアセンター創立10周年記念シンポジウムを挙行しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121012_1.htm
○国際交流科目「変容する東南アジア-環境・生業・社会」を開講しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120915_2.htm
○先端技術グローバルリーダー養成プログラム第7期生修了式を挙行しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120928_2.htm
○2012年「中国・西安交通大学 短期留学プログラム」を実施しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120923_2.htm
○京大以文会東京支部総会が開催されました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120929_1.htm
○平成24年度博士課程教育リーディングプログラムに本学から2件採択されました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121001_1.htm
○APRU大学博物館研究シンポジウム-先端研究の核心としての大学博物館コレクションネットワークの構築-を開催しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120914_1.htm
○北京大学学生のための「京都サマースクール」を京都府と共同実施しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120901_2.htm
○地球環境学堂・学舎および防災研究所が南太平洋大学と部局間学術交流協定を締結しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120907_2.htm
○「京都大学 by AERA 知の大山脈、京大。」が刊行されました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120921_2.htm
○第1回東京(関東)支部連絡会が開催されました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120920_2.htm
○栄誉
・望月拓郎数理解析研究所教授が大阪科学賞を受賞しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121016_2.htm
・平成24年度湯川記念財団・木村利栄理論物理学賞 受賞者を発表
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121023_1.htm
・デニ・ルビアン医学研究科客員教授が本田賞を受賞しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120927_1.htm
◆研究成果
○世界最高耐圧のトランジスタの開発に成功 ~耐圧二万ボルトの炭化珪素(SiC)バイポーラ・トランジスタ~
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/121023_1.htm
○カーボンナノチューブの新たな光応答性を発見-癌に対する光治療法の開発に期待
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/121023_2.htm
○DNA/RNAを分離・濃縮する熱泳動の分子構造依存性を解明 -温度勾配で分子を操作、構造変化を検出する新技術へ-
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/121016_1.htm
○マウス精子幹細胞の支持環境の試験管内での再構成
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/121005_1.htm
○多能性幹細胞から機能的な卵子を作製することに成功
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/121005_2.htm
○観測値から地盤挙動のメカニズムを把握し、将来予測に役立てる-データ同化を応用したリスク評価に期待-
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/121001_1.htm
○二酸化チタン中の光キャリアの振る舞いを解明-高効率太陽電池の実現に期待-
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120928_1.htm
◆イベントのお知らせ
○京都・大学ミュージアム連携「大学は宝箱!-京の大学ミュージアム収蔵品展-」を開催中
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/121010_3.htm
○教育学研究科 国際シンポジウム「東アジア地域における大学入試改革」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121101_1.htm
○第30回品川セミナー 「河川堤防研究:水工学からのアプローチ」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121102_1.htm
○学術情報メディアセンターセミナー 「グリーンAI-人工知能による環境貢献-」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121102_2.htm
○博士課程教育リーディングプログラム 京都大学大学院思修館・グローバル生存学大学院連携プログラム講演会「京都とユネスコ-学びと文化遺産のパートナーシップ」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121106_1.htm
○熊取アトムサイエンスパーク構想講演会「BNCTの夜明け」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121110_1.htm
○寄附講座「農林中央金庫」次世代を担う農企業戦略論講座
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121110_2.htm
○山中伸弥教授ノーベル賞受賞記念パネル展示「CiRAへようこそ -iPS細胞研究の世界-」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121110_3.htm
○第7回 京都大学ホームカミングデイ
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h8/d2/news4/2012/121110_1.htm
○平成25年度京都大学公共政策大学院説明会(第2回)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121111_1.htm
○平成24年度エネルギー科学研究科公開講座「原子力利用における安全と防災の科学」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121117_2.htm
○経営管理大学院シンポジウム「グローバルビジネス人材育成を考える」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121119_1.htm
○京都人類学研究会11月例会「<パブリックスケープ>の人類学-マレーシア先住民の事例-」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121122_2.htm
○第3回全学共通教育国際学生シンポジウム
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121122_1.htm
○11月祭
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121125_2.htm
○人間・環境学研究科 共生文明学専攻・相関環境学専攻の入試説明会および講演会
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121124_1.htm
○京都府/京都大学こころの未来研究センター共同企画シンポジウム「ワザとこころ パートII ~ 祇園祭から読み解く」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121125_1.htm
○京都大学大学院地球環境学舎 入試説明会
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121201_1.htm
○広島京大会公開講演会・総会
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121128_1.htm
○第51回玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会「物質と情報のはざまで-非平衡・情報・アクティブマター-」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121128_2.htm
○京都大学 東京オフィス 連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ9 身近なナノテクノロジーの世界
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121220_1.htm
○第5回サービス・イノベーション国際シンポジウム 「日本型クリエイティブ・サービスの探求-いかにして日本のユニークさを世界にアピールするか-」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121130_2.htm
○第215回 生存圏シンポジウム(第2回)東日本大震災以後の福島県の現状及び支援の取り組みについて
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121130_1.htm
○京都大学 清風荘 試験公開
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121202_2.htm
>>その他のイベント情報はこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja?type=monthly&;c2=1
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