1. 家族への連絡
渡航して数ヶ月の間は、家族への連絡をこまめに行なってください。特に、留学先の大学に到着する前に旅行や知人を訪ねる予定のある人は、定期的に日本の家族に連絡してください。
例えあなたが大きな災害や事件・事故のあった場所から遠く離れた場所にいるとしても、同じ国を旅行中であるというだけで、家族は心配をするものです。ちょっとした心がけで、日本にいる家族や日本国大使館・領事館(在外公館)に迷惑をかけずに済むので、こまめな連絡をしてください。
2. 生活環境を整える
まず、留学先機関にある国際交流・留学生担当の事務室を訪ねましょう。機関によっては、留学生に役立つサービスや、地域情報、他の留学生との情報交換のための掲示板、カウンセリングなどを提供している場合があります。
はじめは、寝具・勉強机・食器・文具など、当座の生活に必要な基本的生活用品を整えましょう。帰国前に転売・譲渡できそうなものや、中古品を上手に利用するとよいでしょう。また、自分の所属学部・研究科の事務室、警察など緊急電話、住居付近の環境も調べておきましょう。
3. 京都大学への連絡と在留届提出
交換留学の場合は、大学に到着して住所が決まったら、京都大学に連絡を入れてください。連絡方法は、大学間学生交流協定に基づく交換留学の場合はオンライン入力、部局間学生交流協定に基づく交換留学の場合は所属学部・大学院の教務担当掛の指示に従ってください。
現地に3ヶ月以上滞在する場合、外務省のオンライン在留届を提出してください。海外在留邦人の事件、事故、被災などの際に、「在留届」があれば安否確認、緊急連絡、救援活動、留守宅への連絡等がより迅速になります。インターネットによる電子届出以外に、 郵送・FAXでも可能です 。
4. 安全の確保と危機管理
長年の習慣から留学先でも、つい日本と同じ感覚で行動してしまったり、逆に、留学先での開放感のために日本ではやらないようなことまでしてしまう人がいます。
しかし、京都大学で学ぶ留学生に気づくことがそれほど難しくないように、あなたが留学生だということは渡航先の国の人には恐らくわかります。そういう意味では、あなたは常に、旅行者と同様に犯罪の標的にされやすいのです。「現地の人なら大丈夫」ということでも、経験のないあなたには危険という場合もあります。安全を確保するための要点を以下に示しますので、ぜひ心がけてください。
- 他人を当てにせず、自分の身は自分で守る。
- 外出時だけでなく、学校内、自宅でも警戒を怠らない。
- 現地の習慣・風俗を尊重し、現地の人以上に安全に気を配る。
- 狙われやすい格好や隙のある行動をしない。
- よく知らない人を安易に信用しない。
- 自分の名前、住所、電話番号、所持金などについて話さない。
- 絶えず情報収集に努め、迷ったときには、より安全な選択肢を選ぶ。
5. カルチャーショックへの予備知識
カルチャーショックとは、異文化環境で生活するときに、今まで自分の国や文化で培ってきた言葉や習慣や行動様式などが通用しないことに対して起こるショック状態のことで、異文化適応のための自然な過程です。カルチャーショックは、単なる表面的なものにとどまらず、自分自身の根幹である考え方、生き方、存在そのものを揺るがす場合もあり、その影響が疲労感、焦り、不安、神経質、憂鬱、睡眠不足、摂食障害、対人恐怖症などとなって現れることもあります。
大切なのは、カルチャーショックについてあらかじめ知っておき、実際にカルチャーショックを感じたときに、身近なアドバイザーやカウンセラー、友人に気軽に相談することです。
カルチャーショックを肯定的に受け止め、「ここではそうなんだ」というように違いを違いとして認め、自分なりにその困難を乗り越えられれば、自国と他国の長所と短所を冷静に比較できる目を持つことができるようになります。さらに、どちらの文化でも状況に応じて臨機応変に行動を使い分ける能力が培われることでしょう。
6. 健康管理
日本での生活とは異なり、食事や生活のリズム、環境の変化から体調を崩すことがありますので、健康管理には十分注意しましょう。留学生活と日本での生活との大きな違いは、親・親戚・友人などのネットワークが留学当初にはないことです。そのため、まさかの時に頼れる人が多くありません。体調が優れないときは、早めに対処して、大事に至らないようにしましょう。
7. 悩みごとがあるとき
留学中に当初予想もしなかった深刻な状況に陥ったり、深く悩むことがあったら、一人で悩まずに必ず誰かに相談して助けを求めてください。あなたの状況がよくわかる留学先のカウンセラーや友人、日本の家族などが最適と思われますが、それでも困ったときには一人で悩まずに京都大学の所属学部・研究科や、交換留学の場合は国際教育交流課に連絡してください。