監事ノート(17)(2008年3月17日)

監事ノート(17)(2008年3月17日)

原 潔

平成19年度監事監査(臨時監査)(PDF)は、過去3年間の監査で指摘した項目についてそのフォローアップの状況及び各組織レベルでチームとして業務を実施する仕組みができているかという観点から内部統制の現状についても監査しました。

教育研究、社会貢献、国際交流、業務運営、基盤整備等の業務分野で指摘した事項52項目のうち43項目(約80%)については具体化され、実施されていま す。このことは京都大学におけるPDCAサイクルが機能していることを示していますが、それらの進捗・実施状況には、項目によってかなり違いがあり、また 検討中の項目も残っていることから引き続きフォローアップし、その効果を検証する必要があります。また内部統制については、日常業務に大きな支障がなくて も緊急時や非定常な業務に対してチームとして連携したプレイを行うには、いくつかの改善するべき点があることを指摘しました。

3月末で京都大学の監事として2期4年の任期を終えます。この4年間を振り返ると初年度の監事監査規程の作成から始まって京都大学における業務の現状把握、試行的な監査報告、2年度、3年度に重点項目を定めた監査を行い、さらに本年は、「監査業務の起承転結」を念頭に置きながら、これまで述べた監事意見 に対するフォローアップ状況監査を実施してきました。

海図のない海へ船出するような気持ちで監事の仕事を始めてから京都大学の業務フィールドを監事として航海するための海図と操船方法は、なんとか身につけ ることができたかと思います。フィールドには、自然、社会、業務など様々な対象がありますが、これらを分析し、体系化するのは、京都大学が最も得意として きた分野です。大学業務を改善するためにこの伝統を生かして京都大学らしい業務フィールドを構築してほしいと願っています。京都大学の「自由の学風」は、 すべての大学業務において創造的な改善、改革が積み上げられていくことによって伝承されていくものと思います。

4年間お世話になりました。