監事ノート(1)(2004年10月18日)
原 潔
最初の監事業務として京都大学の39の部局等(5ヶ所の隔地施設を含む)を訪問して懇談しました。以下はその概要です。
今回の訪問は、京都大学の教育研究活動の特色を理解して、国立大学法人化に伴って生じた課題や大学全体として解決するべき課題を把握することでした。研究科長・研究所長らの先生方と教育研究支援事務を担当されている事務部長・事務長らの方々と活動の現状と問題点を中心に懇談しました。
部局の責任者の方々から部局での活動を通じて日頃感じておられる課題について率直な意見と提案をいただきました。意見や提案は詳細なものからすぐには解決策の見出し難いものまでありましたが、全学的に共通する主な課題として、私なりに感じたのは次のような点でした。
- 事務本部と部局事務の連携、業務分担のあり方
- 教育環境の整備と格差の是正
- 国内外の拠点大学として活動する上での課題
- 部局における経営努力の還元方法と部局間格差の是正
- 学生支援施設・サービスの充実方策
- キャンパス間の移動の改善
これらの課題は、すでに多くの関係者の間で認識されている事柄でありますが、監事という同じ視点で改めて認識することができました。こうした課題のいくつかについては、すでに全学レベルでの検討が始まっています。どれだけ早く効果的な解決策を実行できるのかが問われています。監事活動を通じてそのフォローアップができればと思います。
監事機能は、例えていえば、組織の健康診断のようなモノだと考えています。日常活動をする上で現在は問題がなくとも、それが顕在化する前に指摘して改善を求めることが監事機能だと思います。国立大学法人京都大学監事監査規程に基づいて監事監査計画が策定されましたので、早速、監査活動を始めたいと考えています。監査活動は、本学が掲げる理念と目標を達成するために「将来へ向けて現在を見る」ことですので、監査の実施に当たって、ご関係の方々のご理解とご協力をお願いします。
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