監事ノート(11)(2007年1月22日)

監事ノート(11)(2007年1月22日)

原 潔

「危機管理体制」と「施設マネジメント」について監査を実施しました。 (監事レポート06-4及び監事レポート06-5

危機管理体制については、吉田キャンパスを中心に震災、火災、水害等の非日常的な災害に対する組織的な対応状況を監査し、施設マネジメントについては、施設のスペース、クオリティ、コストの効果的・効率的な活用のために計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・見直し(Action)のいわゆるPDCAサイクルを実施する活動状況を監査しました。

京都大学では、安心・安全なキャンパスを目指して、建物の耐震化が計画的に進められていますが、同時に、安全のためには、災害に直面した時の瞬時の判断、行動が重要であり、安心のためには事前に十分な備えと、知識・訓練を共有しておくことが必要です。

昔の帆船乗りはマスト上の操帆作業の際には、「右手は船のために、左手は自分のために」と教育されました。同様に、災害に際しては、自分の身を自分で守るだけでなく、同時に周りの人達とチームとしての行動が不可欠です。そのためには研究室レベルでの事前確認、リハーサル、事後検証が必要です。

平穏なキャンパス生活を過ごしていると災害時の状況を想定することは難しいものですが、規程やマニュアル整備だけでなく、それらを実行すること、実行できることを経験しておくことが大切だと思います。これは神戸で阪神淡路大震災を経験した一人として実感します。

今回の監査では、以下の項目について意見を述べました。監事監査レポートを是非お読み下さい。

危機管理体制について

  1. 実効性のある危機管理へ
  2. 現場を重視した災害時の危機管理体制の構築
  3. 危機管理体制の整備―危機管理専任組織の整備、諸規程の見直し、危機管理統計とその分析
  4. 学外との連携体制の構築

施設マネジメントについて

  1. 施設マネジメントへの共通理解
  2. 全学共用スペースの活用方法の見直し
  3. 施設維持管理方式の見直し
  4. 施設マネジメントに係る内部統制の改善