京都大学メールマガジン Vol.71

京都大学メールマガジン Vol.71

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京都大学メールマガジン Vol.71
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目次:
◆今月のトピックス
  クロックタワーコンサートの開催
◆理学研究科博士後期課程 中村輝石
◆大学の動き
◆研究成果
◆イベントのお知らせ
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◆今月のトピックス
  京都大学では社会との連携を図り、文化の発展に寄与することを目的として様々なアウトリーチ活動を行っています。去る5月6日には、京都市立芸術大学大学院作曲専攻の学生さんにご協力をいただき、クロックタワーコンサート「How to Compose ?」を開催しました。

  当日の様子は以下の記事からお読みいただけます。

○クロックタワーコンサート「How to Compose ?」を開催しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120506_1.htm

  今後も京都大学では様々なアウトリーチ活動を行っていく予定です。

◆理学研究科博士後期課程 中村輝石

  2011年に神戸で開催された国際会議MPGD(Micro Patterned Gaseous Detector)研究会で、暗黒物質探索実験NEWAGE実験の検出器開発に関する口頭発表の結果、シャルパック賞を受賞しました。この研究会はMPGDと呼ばれる微細な構造を持つガス検出器に関するもので、基礎的な研究から応用までさまざまな発表がありました。

  暗黒物質は様々な観測からその存在が示唆されていますが、いまだに直接検出された例はありません。NEWAGE実験ではMPGDを用いて暗黒物質の到来方向を測定することで、暗黒物質の直接検出において決定的な証拠を見つけようとしています。MPGDを暗黒物質探索に応用した実験は世界的に見ても新しく、暗黒物質の到来方向という他の実験とは異なる強い証拠を得ることができます。今回の発表では、暗黒物質に対する感度をこれまでの10倍に向上させるためにガスの圧力を半分にし、角度分解能や検出効率といった方向に感度を持つ検出器としての基本的な性能を確認したという研究結果を報告しました。NEWAGE実験は、世界の到来方向に感度を持つ暗黒物質探索の中で最高の感度を有しており、今回の10倍の感度上昇が見込めるという結果により、世界に先駆けて暗黒物質検出に近づいたと言えます。

「暗黒物質検出の原理」
  地球上で暗黒物質を直接“見る”ためには、暗黒物質との弾性散乱で跳ね飛ばされた原子核を検出します。銀河中を運動する太陽系には、暗黒物質は風のように吹き付けていると考えられているため、反跳した原子核の方向は暗黒物質の到来方向に沿うと考えられています。通常の探索実験では原子核のエネルギーのみを測定しますが、NEWAGE実験ではガス検出器を用いることで原子核の飛跡も取得し、暗黒物質の到来方向という強い証拠を得ようとしています。


参考図

「感度が10倍になる理由」
  反跳された原子核の典型的な飛跡は数mm程度と短く、微細構造を持つMPGDを利用することで捉えることができています。しかし、実際にはさらに短い飛跡も多く存在し、そのような飛跡に対しては方向を決めることができません。ガスの圧力を下げると原子核の飛跡は長くなるため、これまでは短すぎて方向を決められなかった飛跡を解析に使えるようになり、感度が上がります。

「今後の方針」
  今後は神岡の地下にある実験場で今回の改良点を試し、10倍の感度での暗黒物質探索をします。ちょうど今、地下での測定をする準備中で、2012年度の秋から測定を開始する予定です。この測定によって、さらに暗黒物質に迫って行きます。

★(広報・社会連携推進室より)
中村さんが同賞を受賞されたときのニュースは以下からごらんいただけます。

○中村輝石 理学研究科博士1回生が、Charpak賞を受賞しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2011/111012_1.htm

◆大学の動き

○総合博物館は山東大学海洋学院と部局間学術交流協定を締結しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120427_2.htm

○大阪京大クラブ5月見学例会が開催されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120510_1.htm

○総合博物館は山東大学海洋学院と共同で国際セミナーを開催しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120427_1.htm

○産業界から講師を招いて第3回英語講義を開講しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120508_1.htm

○京都大学フィリピン同窓会が設立されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120417_1.htm

○沖縄同窓会(仮称)設立に向けて動き出しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120426_1.htm

○マニラ濃青会との意見交換会が開催されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120416_1.htm

○京都大学日韓合同同窓会がソウル市内で開催されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120415_1.htm

○京大建築会東京一八会が開催されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120418_1.htm

○栄誉
・2012年春の叙勲受章者が発表されました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120429_1.htm

・平尾一之 工学研究科教授、小杉泰 アジア・アフリカ地域研究研究科教授、森棟公夫 名誉教授および北徹 名誉教授の紫綬褒章受章が決定しました。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120428_1.htm

◆研究成果

○有機半導体を格付けできる新・伝導準位測定法と装置を発明
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120511_1.htm

○削減率保証付き省エネシステムの公開について ~生活の質を損なわずに大幅な節電を実現するシステム~
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120522_1.htm

○ボトックス注射は慢性日常性頭痛と慢性片頭痛に対する治療として小~中程度の効果を有する
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120515_2.htm

○太陽型星におけるスーパーフレア
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120517_1.htm

○アルツハイマー病の記憶障害に対しては、運動療法のほうが食事療法より効果がある:モデルマウスの解析から
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120507_1.htm

○ヒトES細胞からALS疾患モデルを作製し、病状再現に成功:病態の解明や治療薬の開発に期待
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120509_2.htm

○金属と有機物の錯体結晶で”やわらかい”ポリマー材料を作成:安価・高効率な燃料電池材料の開発へ
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120427_1.htm

○膀胱の体内時計とコネキシン43は排尿の日内リズム形成に関与している
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120502_1.htm

○クロマチン制御因子TRIM28は、T細胞性自己免疫疾患を抑制する
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120430_1.htm

◆イベントのお知らせ

○第187回アフリカ地域研究会
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120531_1.htm

○学術情報メディアセンターセミナー「生物に学んだ頑健なシステムを目指して」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120601_1.htm

○第25回品川セミナー 「高分子の魅力-あたらしい構造が生み出す革新機能-」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120601_2.htm

○第25回ニュートリノ・宇宙物理国際会議 NEUTRINO2012
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120609_1.htm

○バーバラ・キーフィッツ教授講演会
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120603_1.htm

○2012年親子理科実験教室(春コース)
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2011/120610_1.htm

○平成24年度創立記念行事音楽会
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120615_2.htm

○京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻ローレンツ祭2012
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120615_1.htm

○平成24年度 京の府民大学 アフリカ地域研究資料センター公開講座「アフリカ研究最前線:出会う」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2011/120915_1.htm

○平成25年度大学院薬学研究科 入試説明会
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120616_1.htm

○国際セミナー「デジタル記録とアーカイブズ」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120623_1.htm

○夢ナビライブ2012 北九州・大阪・東京・名古屋・静岡
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/121215_1.htm

○2012年親子理科実験教室(春~夏コース)[連続3回]
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2011/120826_1.htm

○京都大学フィールド科学教育研究センター公開講座2012 「今、森から考える-森を伐る-」
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/120727_1.htm

  >>その他のイベント情報はこちらをご覧ください。
     http://www.kyoto-u.ac.jp/ja?type=monthly&;c2=1


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□編集・発行
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