医学科
京都大学医学部医学科は、ディプロマ・ポリシーで示した知識と能力を学生が修得できるようにするために、以下の方針に基づいた教育課程を編成・実施します。
- 1~2年次の全学共通科目で文理広範囲に亘る教養を積むと同時に、医学概論・生物系授業・早期体験実習等を通して医師・医学研究者としての将来像を描く。MD研究者育成プログラム等で早期から医学研究に従事する機会や、英語による医学・生物学の講義などで国際性を涵養するプログラムを提供する。
- 2年次では分子、細胞、組織などのレベルに分けて人体の構造・機能・発生を体系的に学習する基礎系講義(コア・ベーシック)を提供し、正常な人体の営みの統合的理解を進める。
- 3~4年次では、疾患との関連の深い基礎系・社会医学系講義(アドバンスト・ベーシック)を経て、臓器別システムの病態に関して臨床的な視点から学ぶ。マイコース・プログラム(最長3ヵ月の自主研究期間)では、本学の研究室あるいは国内外の研究機関・医療機関などで研究活動に従事する。さらに、臨床実習入門コースで臨床実習に必要な基礎的素養の修得を進める。
- 5~6年次で行う臨床実習では、単なる見学ではなく、患者を受け持ち、実際の医療現場でチーム医療に参加し、自律的に臨床能力を身に付けることの出来る参加型実習を行う。加えて、イレクティブ実習期間を設け、学生の興味に応じて国内外の医療機関・教育機関で実習を行い、臨床能力の向上を目指す。
なお、教育課程の体系性や構造については、ナンバリングとコースツリーで明示します。
この他、医学研究者を目指す者を対象に、通常カリキュラムと併行してMD研究者育成プログラムを設け、研究者としての基本的能力を修得するコースを提供します。
学修成果の評価について、各科目の到達目標、成績評価の方法はシラバス等において明示します。4年次後半には、それまでに身に付けた知識と技能を医療系大学間共用試験(CBT、OSCE)において検証します。
人間健康科学科
京都大学医学部人間健康科学科の教育理念とディプロマ・ポリシーを受け、全学部共通科目、専門教育科目を体系的に編成し、講義、演習、実験、実習を適切に組み合わせた授業科目を開講します。教育課程については、コースツリーやナンバリングを用いてその体系性や構造を明示します。
- 導入(1年次前・後期)
京都大学が全学部生に向けて開講している全学共通科目を履修して幅広い教養を身につけ、科学的思考の基盤を形成すると同時に、医学部人間健康科学科が専門基礎科目として開講する初年次教育科目の「人間健康科学」における早期体験実習等を通し、将来の高度医療専門職や総合医療科学領域の専門家としての活動を想起します。 - 基礎(2年次前・後期)
解剖学、生理学、病理学などの基礎医学科目を学び、その基盤の上に臨床疾病論を学びます。これらの科目は
先端看護科学コース 、
先端リハビリテーション科学コース 、
総合医療科学コース
のどのコースに進む場合にもその後の学習のための知識の根幹となるものであり、将来の高度医療専門職や総合医療科学領域の専門家となるための基礎科目として学習します。 また、医療倫理・生命倫理概論において、高い倫理観を養います。 - 専門領域(2年次後期以後)
2年次後期以後は先端看護科学コース、先端リハビリテーション科学コース、総合医療科学コースのいずれかを希望に応じて選択し、各コースにおいて高度医療専門職や総合医療科学領域の専門家となるための実践的な科目を履修します。 これら科目履修の中で、将来の指導者としての能力を涵養するとともに、国際的視野を拡げます。看護倫理学などの専門科目において高い責任感・倫理観を涵養します。 - 発展領域
医学・医療は日々新しい技術が開発され、臨床試験等を経て臨床応用されています。iPS再生医療、臨床開発・臨床研究、ビッグデータ医科学、等の新規性のある科目において世界最先端の教育を受け、高度医療専門職や総合医療科学領域の専門家として発展するための基礎にします。 - 臨床実習(3年次前・後期~4年次前期)
高度医療専門職育成を目指す先端看護科学コースおよび先端リハビリテーション科学コース、ならびに総合医療科学コースの臨床検査技師取得プログラムでは臨床実習を行います。この臨床実習では単なる見学ではなく、臨床実習指導者の指導・監督の下に患者を担当し、実際の医療現場でチーム医療に貢献しながら、自律的で能動的に臨床能力を身につけます。 - 卒業研究(4年次前・後期)
高度医療専門職や総合医療科学領域の研究家になるためには研究マインドは不可欠です。臨床実習等で発見した実践的課題や、授業で関心を抱いた探究すべき科学的課題等について、卒業研究として取組みます。 - 大学院との接続
専門領域の科目、発展領域の科目および卒業研究はいずれも大学院との接続を強く意識して編成されています。大学院進学者は学部との連続性を保ちながら世界最先端の研究に取組み、より高い水準の高度医療専門職や総合医療科学領域の専門家になることを目指します。
学修成果の評価の方針
各科目の学修成果は定期試験、レポート、セミナー発表、平常点評価などによることとし、その方法はシラバスに、基準及び達成度はスクールライフ(学生便覧)にそれぞれ記載されています。