京都大学工学部は、学問の基礎や原理を重視して環境と調和のとれた科学技術の発展を先導するとともに、高度の専門能力と創造性、ならびに豊かな教養と高い倫理性や強い責任感を兼ね備えた人材を育成することを目指し、次のような教育を行っています。
- 専門科目を履修するための基礎となる自然科学系の学理および人文・社会科学の学理を全学共通教育により確実に修得させる。
- 既成概念にとらわれず、物事の本質を自分の目でしっかりと科学的に見る姿勢を涵養するための教育を実施する。
- 創造的に新しい世界を開拓しようとする意欲とバイタリティーを育むための専門教育を実施する。
- 豊かな教養と高い倫理性、さらには国際的リーダーシップなどの卓越した人間力を備えた人材を育成するための教育を実施する。
- 特別研究では、指導教員の指導の下、大学院生と一緒に討論を通じて コミュニケーション能力の醸成を図るとともに 、基礎的あるいは応用的な最先端の研究を体験・修得させる。
工学部の各学科に共通する教育内容について説明します。京都大学工学部へ入学すると、1回生と2回生で、一般的な教養教育、英語他の外国語教育、理系全般に共通の基礎教育を受けます。また、それぞれの学科・コース特有の専門教育も1回生から始まり、次第にその重みを増していきます。4回生になると、学生は研究室に配属され、特別研究(卒業研究)という科目で学生一人ひとりが特定の研究課題に取り組みます。特別研究では、指導教員・大学院生と一緒に最先端の研究が出来るようになっています。
このような4年間において、受けられる授業科目の学修成果は、定期試験、レポート、授業中の小テストや発表などの平常点で評価されます。なお、各科目の評価方法については、授業内容とともに学習計画の概要表(シラバス)に明記されています。また、上記の教育方針をより効果的に実施するため、各科目の内容や重要度等により、必修・選択の科目区分等を設定し、授業科目の年次配当や受講順序は、「科目間の関係と履修の順序性の指針(コースツリー)」として学科ごとにまとめられています。その指針(コースツリー)に沿って、修学の進行度に合わせて適切に授業科目を選択し、所定の単位数を修得します。
上述のような教育を通して、京都大学工学部から、幅広い応用能力、まったく新しい未知なる課題へ敢然と取り組む自主性・創造性、および豊かな教養と高い倫理性を備えた人材を輩出しています。