斎藤通紀
- 英名
- SAITOU MITINORI
- 分類
- 医学研究科
- 専門
- 細胞生物学・発生生物学
- 職名
- 教授(医学博士)
行動
- 普段の行動について
- 毎朝、大学院生時代に友人からもらった「闘魂」のハチマキと、恩師からの「狭い門から入りなさい」と書かれたメッセージカード、北野天満宮のお守り、そして息子と娘が最初に描いた絵をデスクに並べ、「本日、これから始めます」と挨拶する。帰る時には「今日もありがとうございました」と一言。
ハチマキはイギリス留学の時に持って行き、慣れない環境の中、随分励まされた思い出の品。恩師とは、形態学の第一人者・月田承一郎氏(故人)のこと。「狭い門から入りなさい」とは聖書の言葉だが、「研究者としてこういう狭い門を見つけるような研究をせよ」という、月田先生からのメッセージだと解釈している。 - 職業病
- 家で食器の洗い物をしていると、つい研究機器のように丁寧に洗い過ぎてしまう。研究機器は、界面活性剤が残っていると、新しい試薬を調合するときに悪い影響が起きてしまう可能性があるからだが、そのため、妻の洗い方にはちょっぴり不満。でも、妻からは「あなたは水の使い過ぎ、研究室と違うのよ」と言われている。
- 好きな食べ物
- 関西人にしては珍しく昔から「納豆」が好き。中高生時代は毎朝丼に納豆と生卵か大根おろしをかけて食べていた。今はご飯の量こそ減ったが、毎朝の納豆は欠かせない。両親も西日本出身だが、やはり納豆が大好きだ。
- 趣味
- 歌手・浜田省吾のファン。19歳のころバイト先の店長にすすめられたのがきっかけ。恋愛の歌だけでなく、社会的な歌も歌い、その強烈なメッセージに魅了された。今も10分ほどの自動車通勤の帰り道に、車内で浜田省吾の歌を聴くのが楽しみ。最近よく聴くのは「裸の王達」と「詩人の鐘」。ちなみにカラオケでは“難しいから”と浜田省吾は歌わず、松田聖子の「青い珊瑚礁」を熱唱。
- 研究道具
-
- クラスターマシン
- 分析した情報データを蓄積しておく機械。ゲノム研究には欠かせない。
- 実体顕微鏡
- マウスの胚を解剖して、生殖細胞を取り出すときなどに使う。
- 共焦点レーザー顕微鏡
- 細胞の動きを観察、あるいは写真撮影できる。
- プラーとマイクロフォージ
- 小さな細胞を一つずつ採取するために必要な専用極細ピペットを作るための機械。
- マイクロマニピュレーター
- 採取した生殖細胞を結合させるための道具。電気制御により正確緻密に操作できる。
- FACS(セルソーター)
- 無数の細胞の中から特定の細胞をより分けるための装置。
生息地域
1970年兵庫県生まれ。1995年京都大学医学部卒業。1999年同大学院医学研究科博士課程修了後、イギリスに留学。2003年帰国し理化学研究所に勤務。2009年より現職。主に、吉田キャンパス医学部構内の研究室で活動。20名近くの研究室員と約1,000匹の実験用マウスとともに1日を過ごす。たまに、共同研究施設である滋賀の飼育舎に足を運び、研究用に飼育しているカニクイザルと触れ合い、癒されているとかいないとか。
生態
細胞というミクロの住人を相手にしているせいか非常に「几帳面」。鉛筆は常に同じ向きでデスクに並んでいないと気がすまない。ただしその鉛筆は、大先輩の先生がセミナーで鉛筆を使っているのを見て、「いまどき鉛筆か。かっこいいな〜」と思い、使い始めたというミーハーな面も。また、大のカラオケ好きで、研究室の飲み会では朝まで熱唱することも珍しくない。しかし本人いわく「音痴。自分より歌が下手な人は見たことがない」。プライベートでは中3の息子と小4の娘を愛する良きパパである。
特徴
- 学生時代
- 大学1年の終わりから3年の半ばぐらいまでカラオケパブでアルバイト。途中、浜田省吾のファンになり、一時期はロックスターを夢見たが、歌はとっても下手だし、お客さんにも受けないため、「自分にはその才能はない」と挫折。
そこで、「自分には何ができる?」と自問自答したところ、「学問はちょっと得意だったはず」と思い出す。そして、当時京大で一番人気があった分子生物学の本庶佑教授の講義を受けたところ、その面白さに感動。それ以来、研究室に入りびたり、先輩や先生と接しているうち、「研究はニュートンとかアインシュタインみたいな天才じゃなくてもできる」と気づき、研究者への道を本格的に志した。
- もし京大の先生になっていなかったら
- 医師。特に学生時代から勉強していた神経科医や精神科医。大学入学当初は、なんとなく医師になるものだと思い込んでいたから。ちなみに実家は医者の家系でも何でもない。
自分を漢字一文字に例えると
「粘」。
研究は粘っこさがないとできない。毎日同じような作業の繰り返しだからだ。論文も一文一文が大事で、どんな単語を使うべきかなど、粘り強く検討していかないと、世界を驚かせるものは書けない。