監事ノート(6)(2009年9月30日)

監事ノート(6)(2009年9月30日)

 平成21年度も半ばが過ぎようとしています。本年度に入り平成20年度定期監査および平成21年度臨時監査2テーマを終えました。平成20年度の監査を通じて、京都大学の価値向上のために実行されるべき組織運営上の重要なポイントについて次の3点を指摘いたしました。

  1. 目標または目標状況を明確にすること
  2. P-D-C-Aを実行すること
  3. 本部部門・部局における双方向のコミュニケーションの強化を図っていくこと

 これらの指摘に対して本部部門・部局においてどのようなことを実行していくべきかを検討されたでしょうか。定着には時間を要すると考えますが、一つ一つ着実に実行していかれることを期待しています。
  今回は、日常業務を遂行するひとり一人が留意していくべきことについて述べます。

  1. 担当業務の基本的考え方を明確にすること
      何事を実行するにしても、実行しようとする事柄についての基本的考え方を明確にしておかなければなりません。基本的な考え方を明確にするとは、実行しようとする事柄の目的・背景・理由を明確にすることでもあります。
      担当する業務(例えば、産官学連携活動、事務等の効率化・合理化、経費の削減など)について、当該業務を取り巻く時代の潮流を洞察し、当該業務の目標や目標状況を考えるとともに、京都大学の現状を考慮しつつ、現時点で担当する業務についてどのような考え方で対処していくかを明確にしておかなければなりません。当該業務の基本的な考え方が明確でなければ、業務を進めていく途上で判断を求められた時にどのような決定をすればよいか分からなくなってしまいますし、いろいろな質問や疑問が出てきた時に、答えることができません。当該業務の基本的な考え方を明確にしておけば、業務の遂行に迷いがなくなり、自信を持って仕事を進めていくことができると思います。
      担当する業務の基本的考え方の具体的事例を挙げれば、産官学連携活動については産官学連携ポリシーにおいて明示されており、事務等の効率化・合理化については事務改革大綱に明示されています。
  2. 相互アクションが重要であること
      組織を円滑に運営していくためには、構成員の相互アクションが大変重要になります。業務を遂行していく過程においても、コミュニケーションの過程においても、関係者から必ず種々の意見や要望が出されます。こうした種々の意見や要望に対して自らの基本的な考え方を十分説明することも必要ですが、それ以上に種々の意見や要望に耳を傾け、それらの内容をよく咀嚼し、適切な意見や要望を組み入れていくことも重要です。業務遂行には「感受性」と「柔軟性」が必要であるといえます。こうした努力の積み重ねにより関係者の理解も深まり、関係者の協力も得ることができるようになり、コミュニケーションも円滑に行われるようになります。

 以上のような点に留意しつつ日常業務を遂行され、担当業務が円滑に進められることを期待しています。