監事ノート(6)(2011年9月15日)
国立大学法人京都大学の監事に就任して早や1年半を過ぎようとしています。
常勤の平井紀夫監事や優秀なスタッフに支えられ、業務に精励しています。
昨年度は、重点項目の一つに「労働安全衛生管理に関する取組」を取り上げました。この分野は弁護士として長年携わっているもので、特に関心をもって取り組みました。
「労働安全衛生管理」は、労働安全衛生法などの法令を遵守することが基本ですが、それにとどまらず法の理念、趣旨に立ち返り、教職員の安全を確保し、安心して意欲的に職務に励める環境を作ることが肝腎であると考えます。これに関連して、昨今、上司や同僚からのハラスメントが様々な大学で問題になっており、裁判で争われることもあります。そのような事態は、有為な人材の能力発揮に支障を来し、優秀な人材が流出するといった、大学にとっても大きな痛手となることもあります。これまではあまり関心を持たれなかったのですが、教職員の労働環境保全の観点やリスクマネジメントの観点からも取組むべき課題です。
本年度も、2カ所の隔地施設の往査にまいりました。教員の方々が京都を離れた地で研究に励み、地域社会に根を張っていることを理解するとともに、施設の維持、充実の必要性を実感しました。
これからも臨時監査、定期監査の部局訪問などで、ご足労をおかけすることになりますが、引き続き皆様方のご協力を心からお願い申し上げます。