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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ29は、「未来につながる情報化社会 -展望と課題-」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。
シリーズ29の第1回は、「ソーシャルメディアの光と影」と題し、吉田純 人間・環境学研究科教授が講演を行いました。
吉田教授は、まず日本におけるソーシャルメディアの利用者数の推移、2004年に日本で初めて開設されたソーシャルメディアの概要、近年よく利用されるサービス内容等について説明しました。次に、このソーシャルメディアでのつながりを社会学的概念の公共圏と親密圏に区分して、どのような関係があるのかmixi、LINE、Facebook等の具体的なサービス内容を例に挙げ、ソーシャルメディアの課題と展望について解説しました。そして、「友人や家族等による具体的な他者の生への関心」によって形成される親密圏と「多様な他者(市民社会)との共通の問題への関心」で形成される公共圏との相互補完的再構築がソーシャルメディアにおけるつながりには重要であることを社会理論を交えて言及しました。
来場者からは、「SNSにおける過剰な親密性が個人を抑圧する形を初めて意識し、新鮮な気持ちをもちました」、「身内同士のコミュニケーションの負の側面を多様な他者との関係で問題が解決されるケースについて良く理解できた」という感想が寄せられました。講演後は、積極的な質疑応答が繰り広げられ、盛況のうちに終了しました。
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