大西美輪 理学研究科研究員、鵜崎真妃 理化学研究所基礎科学特別研究員、平井優美 同チームリーダー(兼:名古屋大学客員教授)、山本浩太郎 横浜市立大学助教、三村徹郎 京都先端科学大学教授、石崎公庸 神戸大学教授、深城英弘 同教授らの国際共同研究グループは、薬用植物ニチニチソウの種子胚におけるアルカロイド生合成開始過程を明らかにし、アルカロイド代謝において細胞分化が重要な役割を担う可能性を示しました。
本研究成果は、抗がん剤などの薬として重要なニチニチソウアルカロイドの生合成およびその制御機構の理解につながり、植物や植物細胞を用いた化合物生合成技術の開発に貢献すると期待されます。
植物は多様な特化代謝産物を合成・蓄積し、その中には薬や嗜好品として人間生活において重要な役割を担っているものが多くあります。特化代謝の多くは細胞種特異的に行われることが知られていますが、その理由は未解明です。本研究グループは、抗がん剤などの薬として有用なアルカロイドを細胞種特異的に合成するニチニチソウの種子胚において、種子発芽に伴う細胞の状態変化、アルカロイド生合成の開始過程やアルカロイドの細胞局在を明らかにしました。
本研究成果は、2024年3月22日に、国際学術誌「New Phytologist」にオンライン掲載されました。
【DOI】
https://doi.org/10.1111/nph.19662
【書誌情報】
Mai Uzaki, Tetsuya Mori, Mayuko Sato, Mayumi Wakazaki, Noriko
Takeda-Kamiya, Kotaro Yamamoto, Akio Murakami, Delia Ayled Serna
Guerrero, Chizuko Shichijo, Miwa Ohnishi, Kimitsune Ishizaki, Hidehiro
Fukaki, Sarah E. O'Connor, Kiminori Toyooka, Tetsuro Mimura, Masami
Yokota Hirai (2024). Integration of cell differentiation and initiation
of monoterpenoid indole alkaloid metabolism in seed germination of
Catharanthus roseus. The New phytologist.