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小池克明 工学研究科 教授、後藤忠徳 兵庫県立大学 教授、笠谷貴史 海洋研究開発機構 グループリーダー、辻健 九州大学 教授らの研究グループは、海中に微弱な電流を流して非破壊で地下断面図を作成する「海底電気探査」に注目し、独自に開発した探査装置を用いて沖縄沖海底熱水地域の海底探査を行った結果、「電気をよく通す岩の層」が熱水噴出孔周辺の海底面に分布すること、さらに「電気を非常によく通す別の岩の層」が海底下40m付近にも存在することを明らかにしました。
本海域で採取した岩石試料の分析結果から、 これらの岩層は 金属資源を多く含んでおり、海底熱水鉱床であることが考えられます。「海底熱水鉱床の二階建て構造」が詳細に可視化されたのは、世界で初めてです。
本研究グループは、この断面図に基づいて、 将来的な熱水金属鉱床での資源開発において重要な知見である、 海底下深部での金属資源濃集に関する新たなメカニズムを提案しました。また本探査技術は、海底の資源賦存量の推定を高効率で可能とするため、日本発の海底資源開発に役立つものです。
本研究成果は、2019年9月16日に、国際学術誌「Geophysical Research Letters」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1029/2019GL083749
K. Ishizu, T. Goto, Y. Ohta, T. Kasaya, H. Iwamoto, C. Vachiratienchai, W. Siripunvaraporn, T. Tsuji, H. Kumagai and K. Koike (2019). Internal Structure of a Seafloor Massive Sulfide Deposit by Electrical Resistivity Tomography, Okinawa Trough. Geophysical Research Letters, 46(20), 11025-11034.