飯田敦夫 ウイルス・再生医科学研究所 助教(現・名古屋大学助教)は、東洋大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、城西大学と共同で、グーデア科胎生魚 Xenotoca eiseni (和名:ハイランドカープ)において、卵黄栄養タンパク質であるビテロジェニンが、母親からお腹の子供に供給されていることを実証しました。
ヒトを含む胎生哺乳類では、ビテロジェニンは遺伝子レベルで失われています。つまり、胎生魚類が哺乳類とは違う仕組みでお腹の子供を育てることが示唆されました。胎生は魚類でも哺乳類でも「赤ちゃんを産む」という点で同一の生命現象に見えますが、働いている遺伝子やお腹で子を育てる仕組みには多様性があると考えられます。
本研究成果は、2019年10月8日に、国際学術誌「PNAS」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1073/pnas.1913012116
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/244279
Atsuo Iida, Hiroyuki N. Arai, Yumiko Someya, Mayu Inokuchi, Takeshi A. Onuma, Hayato Yokoi, Tohru Suzuki, Eiichi Hondo, and Kaori Sano (2019). Mother-to-embryo vitellogenin transport in a viviparous teleost Xenotoca eiseni. Proceedings of the National Academy of Sciences, 116(44), 22359-22365.