フィールド科学教育研究センターは、地球環境学堂および野生動物研究センターと共催で、第8回森里海シンポジウム「みんなで創る里山・里海の未来」を2023年3月19日に開催しました。北部総合教育研究棟益川ホールとオンラインのハイブリッドで実施し、現地会場89名、オンライン66名の計155名が参加しました。
本シンポジウムは、今年度からはじまった公益財団法人イオン環境財団の支援による、失われつつある里山・里海をどう考えるか、これからの里山・里海はどこを目指すのかをみんなで考える「新しい里山・里海の共創プロジェクト」の一環で実施されたものです。
午前はプレ企画として、連携する全国の高校10校がポスター発表を行いました。高校生が、里山・里海をテーマに、田んぼや河川の生きもの調査やニホンウナギの保全、ヒシの繁茂と湖の水質との関係性といった日頃の研究成果について発表を行い、本学教員が審査員となり、講評と表彰を行いました。
午後のシンポジウムでは、「みんなで創ろう! わたしたちの里山里海」をテーマに、湯本貴和 名誉教授が基調講演を行いました。「真」の生物多様性問題や、生態系サービスと里山・里海に関する解説があり、参加者の注目を集めました。続いてフィールド科学教育研究センターの3施設(上賀茂試験地、舞鶴水産実験所、瀬戸臨海実験所)から、若手教員が最新の研究トピックスを紹介しました。それぞれの講演についてはグラフィックレコーディングを実施し、講演の内容をイラストで共有しました。
最後の質疑応答では、高校生や一般の参加者から、「ウイルスが生態系、生物多様性に及ぼす影響や、里山・里海の概念は海外で共有されているか?」といった質問があり、それぞれパネリストから回答がありました。また、「「真」の生物多様性を守るために高校生ができることは?」という質問に対しては、まずは知ることから始めてほしいと湯本名誉教授が回答しました。実施したアンケートの結果からも、本シンポジウムが好評であったことが伺えました。
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