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教育学研究科附属臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。
2018年度は、同センター客員教授のルディ・ベルモート ルーベン大学精神医学センター部門長を講師として、京都テルサ セミナー室で行い、心理臨床家や医療従事者、教育関係者、学生など88名の参加がありました。
講演では、精神分析のなかでもビオンの論じた「不可知なる領域」について、京都学派の哲学や禅思想、脳科学を統合した視点からの話がありました。とくに心の病に苦しむ人に変化をもたらすものとして、非言語次元での直観的な体験を重視し、そうした関わりを生み出す治療者の態度は禅における「無心」に通じると述べられました。講演の後半では、長谷川等伯の松林図屏風や現代のアールブリュット(精神障碍をはじめ、社会生活に困難を抱えた人々による芸術)作品などを紹介しつつ「無心」について説明が行われました。
講演後の質疑応答では、非言語性や直観的な体験の心理療法場面における具体的な活用について議論がなされました。多くの参加者が講演に聴き入り、また熱心にメモを取りながら受講している様子が見受けられました。
本講座は例年参加者から大変好評を得ており、2019年度以降も、現代社会の複雑なこころの問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していくことを考えています。
講演に聴き入る受講者ら(1)
講演に聴き入る受講者ら(2)
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