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今回の京都大学未来フォーラムは、工学研究科博士課程修了生のウサビ・サコ 京都精華大学長を講師に迎え、百周年時計台記念館において開催しました。
「多様化する現代コミュニティと建築空間 -明日の地域社会のあり方を考える」と題した講演の中でサコ学長は、出身国であるマリ共和国の教育方法や中国・日本での留学体験談、京都精華大学での教員・研究者として感じた日本社会の様子を紹介しました。そして、台所を例に、調理器具があるからそこが台所となるのではなく人が調理をするからそこが台所になるのであり、スペースは人の行為があって出来るものであることや、マリの首都バコマの中庭型在来住宅や現在携わっている京都市空き家再生プロジェクトの「本町エスコーラ」を例に、コミュニティは形成-崩壊-再生を繰り返すものであると説明しました。最後に様々な研究に関心を持つことが自分のテーマとの出会いのきっかけとなり、研究テーマが一定でないことが新しい研究を生み出すアドバンテージ(利点・代謝)になると語りました。
参加者からは、「文化的、学術的バックグラウンドの異なる先生の話に引き込まれ、大いに学ぶところがありました。」、「その土地の歴史や生活、文化に密着した建築であるべき…という考え方に共感出来た。全体を通じて、テンポよく、ユーモアも交えた講演でとても良かった。」、「最近コミュニティ論が活発になっていると感じており、建築をふまえた地域コミュニティの話を聞けてタイムリーだった。」などの感想が寄せられました。