「アフリカ霊長類学コンソーシアム」の国際シンポジウムを開催しました。(2016年12月5日)

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霊長類研究所とアフリカ学際研究拠点推進ユニット等が、稲盛財団記念館で「アフリカ霊長類学コンソーシアム・国際シンポジウム」を共催しました。

シンポジウムには国内外の研究者など約50人が参加し、アフリカの若手研究者に加え、アフリカでフィールドワークを行っている本学の大学院生が研究内容について口頭やポスターで発表しました。米国の大学院に在籍するEnathe Hasbwamariyaさんが、ルワンダの国立公園における森林減少がチンパンジーの遊動パターンにどう影響しているか、現地で継続中の調査結果を交えながら現状を解説するなど、森林破壊や内戦といった制約のなかで野生動物の観察・保護をどのように持続していくべきか、現場経験に基づいた課題が多く出されました。

日本学術振興会の研究拠点形成事業で研究代表者を務める古市剛史 霊長類学研究所教授は、2009年から継続して採択された事業を振り返り、アフリカの若手研究者の自立には、日本や欧米の研究者との学術交流だけではなく、アフリカ諸国の研究者同士が連携を強めていくことが重要だと強調しました。

閉会の挨拶では、加藤久 日本学術振興会参与が日本学術振興会のナイロビ研究連絡センターを紹介し、アフリカの研究者にも同センターを積極的に利用するよう呼びかけました。

シンポジウム後の懇親会には山極壽一 総長も参加しました。総長は、冒頭の挨拶にて若手研究者に対し「今後、研究や行政の道に進んでいくことになるかと思うが、基礎研究の重要性だけは忘れずに、それぞれ活躍して欲しい」と述べました。その後、重田眞義 アフリカ地域研究資料センター長による乾杯の挨拶で懇親会が始まり、参加者は和やかな雰囲気な中で交流を深めました。

本シンポジウムは、日本学術振興会の研究拠点形成事業「類人猿地域個体群の遺伝学・感染症学的絶滅リスクの評価に関する研究」の支援を受け、約2週間にわたる霊長類研究・保全トレーニング・セミナーの一環として開催されたものです。トレーニング・セミナーには欧米から講師4名が招待され、霊長類研究所を主な会場として、アフリカの若手研究者17人が野生動物観察法やハンディ端末を使った観察データの記録法、GISシステムを用いた生息状況の分析法、非侵襲的試料からのDNA・ホルモン分析法、保全政策立案等の講義と実習を受けました。

会場の様子

発表を行うHasbwamariyaさん

懇親会の挨拶を行う山極総長

集合写真