本学は世界に卓越した知の創造を行う大学として、真のトップレベル大学としての地位を確立するため、全学的な国際シンポジウムを毎年開催し、海外の大学と特に研究面での連携を深化させています。これまでブリストル大学とは過去2回、双方の大学でシンポジウムを開催し、またハイデルベルク大学とは日独6大学学長会議(HeKKSaGOn)のコンソーシアムを通じて関係を強化しており、いずれも本学にとって欧州における重要なパートナーとなっています。
今回のシンポジウムは、これまでそれぞれが2大学間で促進してきた学術交流の枠を広げ、3大学が戦略的に促進する共通の課題を通じて既存の共同研究を発展させ、また新しい共同研究の創出を目的として開催されたものです。3大学より約60名が参加し、最新の研究成果の発表や各大学で取り組んでいる研究プロジェクトに関して活発な議論が行われました。
初日は、ブリストル大学などブリストル市内を視察しました。その夜には歓迎レセプションが開かれ、Hugh Brady ブリストル大学長が歓迎の辞を述べ、Stephen K. Hashimi ハイデルベルク大学副学長と本学の代表である福山秀直 名誉教授が感謝の辞を述べました。
2日目は、ブリストル大学の各会場で高齢化、植物学、材料科学、移民研究、ジェンダーの五つの研究課題ごとに分科会が開催されました。それぞれの分科会では各大学からの研究者が発表を行い、今後の共同研究や学術交流に向けて活発な議論が繰り広げられました。そのうち、高齢化に関する分科会(Healthy Living and Active Ageing)では病院の見学に加えて、ブリストル大学の実験施設であるSPHEREを訪問しました。同施設にはさまざまなセンサーが備えられ、その中に暮らす高齢者の生活を観察記録することで、発作などの予測や食生活の改善につなげる研究が行われており、参加者らは熱心にその説明に聞き入っていました。また、植物学のセッションでは、セッション終了後に3大学が所有する植物園の連携協定が締結されました。これまで、ブリストル大学植物園との協定はありましたが、1593年に開園した世界で最も古い植物園の一つであるハイデルベルク大学の植物園が加わることで植物学分野における学術交流がさらに期待されます。
2日目夜の晩餐会では、冒頭でブリストル大学の学生が京都大学に滞在した経験についてプレゼンテーションを行い、その後セッションごとに分かれたテーブルでは和やかな雰囲気の中、研究者同士が交流を深めました。