「短期SENDプログラム」の一環として、本学から「ベトナム社会科学院・ハノイ国家大学サマースクール」に10名の学生が参加しました。2週間の実施期間の中で、ハノイ国家大学外国語大学および人文社会科学大学とベトナム社会科学院を訪れ、ベトナム語やベトナムの文化、歴史、社会についての講義を受講するとともに、両大学の日本語の授業に参加したほか、ベトナム人学生と日本語・日本文化についての相互学習(共同発表)を行いました。また、チャンアン(Trang An)、ドンラム村(Duong Lam Village)でのフィールドトリップでは、講義で学んだ伝統的なベトナム文化に関する認識を、実地研修を通して深めました。
本研修を通じて、ベトナムの文化を理解することはもちろんのこと、自分たちがこれまで身につけてきた言語や文化について見つめ直し、再発見する機会を得ました。日本とベトナムの未来を担う世代が出会い、ともに時間を過ごし、議論を深めることにより、将来につながる絆を強める機会となりました。現地で得た経験や文化に対する理解をさらに発展させ、また現地学生たちとの信頼関係を今後一層深めていくことが期待されます。
参加学生の報告
ベトナム社会科学院・ハノイ国家大学サマースクール班長
法学部4回生 今村祥子
報告会実施日:2015年10月8日
2015年9月13日から9月26日の2週間、本学の学生10名がベトナム社会科学院・ハノイ国家大学サマースクールに参加しました。ベトナム語やベトナム文化について講義を受講するとともに、世界遺産での実地研修や現地のベトナム人学生との異文化交流も活発に行いました。
ベトナム語に関しては、飛躍的な成長があったとは言い難いものの、帰国前には基本的な単語や日常会話のフレーズをベトナム語で言えるようになりました。短期間で効率良くベトナム語を学習できたことには二つ要因があったと思います。一つ目は、夏休みに1週間、事前研修としてベトナム人の先生がベトナム語教室を開いてくださったことです。ベトナム語の最難点ともいえる声調について事前に勉強をしたことは助かりました。二つ目は、講義以外の時間にも現地の学生と毎日食事や遊びにでかけたことで、ベトナム語を実践する機会や間違いを訂正してもらえる機会を多く持つことができたことです。今回の体験を通して、英語の重要性と現地の言語の重要性を実感し、帰国後の外国語の勉強に対するモチベーションがあがりました。
異文化交流に関しては、ベトナムに対する理解が深まっただけではなく、日本についても考えさせられました。犬・猫の肉や虫のサナギ・羽化寸前の卵などを食べるベトナムの文化を肌で感じて、日本では当たり前だと思っていたことが当たり前ではないことに気づかされました。日本ではどこでも道路が整備されており、交通ルールが存在し守られていますが、ベトナムでは違うことを目の当たりにしました。驚きの連続でした。今後も積極的に異文化交流を続けていき、日本と異なる価値観や共通するものの考え方に多く出会って行きたいと思います。
このような貴重な経験が出来たのは、現地の多くのベトナム人学生が、授業中に加えて授業後にも私たち日本人学生との交流の時間を割いてくださったおかげであると確信しています。ベトナム人学生の友達を多く作ることができ、帰国後も連絡をとり続けています。今後も連絡をとり続け、将来彼らが日本に来る機会があれば、ぜひ彼らの力になりたいと考えています。
短期SEND(Student Exchange – Nippon Discovery)プログラム について
SENDプログラムとは、日本とASEANを始めとする世界各地との架け橋となるエキスパート人材の育成を目指す事業です。派遣学生は現地の言語や文化を学習するとともに、日本語指導支援や日本文化の紹介活動を行います。これらの活動を通じて、海外の学生に日本への関心を強めてもらうと同時に、世界に雄飛する日本として誇れる人材の育成を目指し、次世代における相互の信頼感を醸成することを主たる目的としています。
2015年度は、「大学の世界展開力強化事業-ASEAN諸国等との大学間交流形成支援-「開かれたASEAN+6」による日本再発見-SENDを核とした国際連携人材育成」およびJASSO奨学金(重点政策枠)の支援を受けて行っています。