百周年時計台記念館において、第2回「京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム」(KUIP:Kyoto University-Inamori Foundation Joint Kyoto Prize Symposium)を開催しました。
第2回目となる2015年は、一般市民、学生、研究者など2日間合わせて約650名の参加者のもと、「テクノロジー・遺伝子・芸術 -進化の足跡を辿り、現代文明とその未来を考える-」を統一テーマに、それぞれの分野における12名の世界的トップランナーによって、学術界と社会の双方から注目されているテーマについて、研究者も満足できる内容を一般の方々にも興味深く聴講いただけるよう工夫された内容で語られました。
初日は「最先端エレクトロニクス」をテーマとして、ハリー A.アトウォーター(Harry A. Atwater) 米国カリフォルニア工科大学教授、松波弘之 名誉教授、小野崇人 東北大学工学研究科教授、ルール バーツ(Roel Baets) ベルギーゲント大学教授・Interuniversity Microelectronics Centre教授、北村恭子 京都工芸繊維大学大学戦略推進機構系グローバルエクセレンス講師(若手研究者)の5名の講師がエレクトロニクス分野に登壇しました。
2日目の午前は「人類進化研究の最前線:遺伝子・化石・認知」をテーマに、スバンテ ペーボ(Svante Pääbo) ドイツマックス・プランク進化人類学研究所教授、エシュケ ウィラースレフ(Eske Willerslev) デンマークコペンハーゲン大学教授・英国ケンブリッジ大学教授、諏訪元 東京大学総合研究博物館教授、平田聡 野生動物研究センター教授の4名の講師が生物科学分野に登壇、午後の音楽分野では「音楽の20世紀、そして21世紀」をテーマに、近藤譲 お茶の水女子大学名誉教授・作曲家、三輪眞弘 情報科学芸術大学院大学教授・作曲家、中川俊郎 日本現代音楽協会副会長・日本作曲家協議会常務理事・お茶の水女子大学非常勤講師・作曲家・ピアニストの3名の講師、ヘルマン ゴチェフスキ(Hermann Gottschewski) 東京大学総合文化研究科教授がコメンテータとして登壇したほか、3名の演奏家によるデモンストレーションも行われました。
その後、クロージング・セッションでは、「シンポジウムの総括と将来展望 -統一テーマの視点から-」と題して、各分野を代表する登壇者と本シンポジウムの企画を行った本学教員に加えて、山極壽一 総長が進行役として登壇しました。山極総長のシンポジウム全体を通じての感想と問題提起を基に、人類の遠い将来について、互いの講演を踏まえながらそれぞれの専門分野を超えたディスカッションが行われました。
聴講者からは、「このシンポジウムについて今まで知らず、もったいないことをしました。音楽分野のコンサート素敵でした」、「非常に詳しい内容の話を一般人が理解できるよう説明されていたことに感謝します」、「生物科学のセッションは山極総長の質問と登壇者の応答がエキサイティングだった」、「素晴らしい企画に感謝しています」といった感想が寄せられました。