本研究科は5年一貫制博士課程の教育プログラムを提供し、学生は講義・演習によって幅広い専門知識と研究技法をカリキュラム・マップに沿って習得しつつ、みずからの研究課題を設定します。主体的なフィールドワークの取り組みと指導教員群による研究指導を通して、研究課題を解決する能力と論理的思考力、研究に対する高い倫理性と強い責任感を身につけたうえで、高い学術的意義をもち、先進性や創造性、独創性などに優れた博士論文の完成を目標とします。
講義・演習は研究科共通科目と専攻科目から構成されており、地域研究の基礎的な問題とアプローチの方法、アジア・アフリカ地域に関する広範な専門的知識を習得するとともに、文理融合と地域間比較を含めた総合的地域研究のパースペクティブを養います。本研究科では、アジア・アフリカ地域におけるフィールドワークで必要な現地言語の習得にも力を入れており、研究科共通科目としてタイ語やインドネシア語、ベトナム語、ヒンディー語、アラビア語、ペルシア語、トルコ語、スワヒリ語、アムハラ語などの授業科目が開講され、外国語によるコミュニケーション能力の向上を促しています。
研究演習においては学生の創造的な発想を促し、自立した研究を進めていけるよう濃密な相互討議にもとづく指導をおこなっています。課題研究では、研究分野に関わる指導教員群との議論を通じて、学生は自らの問題意識を明確にしながらフィールドワークに取り組み、個別の研究課題の解決に取り組みます。
また、フィールドワークのデータや成果については、各専攻のセミナーにおいて発表・討論され、学生は研究課題の発見と解決能力を涵養します。研究成果は国内外の学会・研究会のほか、一般市民が参加する講演会などで発表し、幅広い意見や視点に触れながら学際的な見識を深めたうえで、論文・書籍のかたちで発表するコミュニケーション能力を身につけます。各授業科目の学修成果はレポートやセミナー発表、平常点、定期試験などで評価することとし、到達目標は各科目のシラバスに記載されています。
学生はこれらの授業科目の履修および指導教員群による研究指導に加え、主体的なフィールドワークをおこなうことで博士予備論文をまとめ、最終的に博士論文を作成します。研究者・実務者としての高い倫理性と強い責任感は研究指導によって涵養され、フィールドワークにおいて実践されます。なお、博士予備論文と博士論文を執筆する前には指導教員による対面型チュートリアルを通じて、高い倫理性の習得が確認されます。
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