理学研究科 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

理学は自然現象を支配する原理・法則を探究する学問である。本研究科では理学への深く幅広い理解に基づく豊かな創造性と柔軟な思考力と優れた問題解決能力を有する人材の育成をめざしている。京都大学の特徴として、「自由の学風」が挙げられ、学生の自学自習を促すことが提唱されている。理学研究科はこの精神を重視し、大学院生が能動的、積極的に学問に取り組み、自ら問題を発掘してその解決に向け柔軟かつ粘り強く立ち向かう研究者等として成長することを期待している。修士課程では理学研究を遂行するのに必要な基礎知識・研究手法・問題解決能力を身につけ、博士後期課程では自ら課題を設定して研究を企画、遂行して博士学位論文としてまとめあげる能力を身につけることを教育目標としている。

修士課程では、大学院生が学部での基礎的科学体系の修得に基づき理学研究に従事するための先端的知識、研究手法、語学力等を身につけ、さらに問題発見・解決能力を大きく伸ばしていくことを目標としている。その実現に向け各専攻は分野の特徴に合わせて、特殊研究を中心に講義、ゼミナール、演習、実験などからなるカリキュラムを用意している。各科目の学修成果は、筆記試験、レポート、ゼミナール発表、平常点、演習・実験成果などで評価する。さらに、広い視野を持つ人材を育てるという観点から、所属する専攻や系分野以外の科目を履修することを奨励している。

博士後期課程では、修士課程までに培った能力を土台として、基礎科学の本質的前進に寄与する研究を行うことが求められる。学生自身が企画段階から研究を実施して、成果をまとめて論文発表するまでの一連の作業を遂行することにより、自立した研究者としての第一歩を踏み出すことを期待している。そのため特殊研究とゼミナールを中心に研究指導を行い、その研修の成果を基に、研究指導を受けたことの認定を行う。特殊研究とゼミナールの学修成果は、レポート、ゼミナール発表、平常点、実験・実習成果などで評価する。また博士後期課程においても専門領域に閉じこもらず、幅広い学問的関心を維持することを推奨している。博士後期課程では、研究成果を集大成した博士学位論文の作成と学位取得を大学院生の最終目標に設定している。

理学研究科では、学生が自分自身の学問的関心や進路に合わせて履修を進められるようにコースツリーを用意し、授業科目の体系的な流れを示している。

http://www.sci.kyoto-u.ac.jp/ja/about/cu-policy.html