株式会社三井住友フィナンシャルグループ 取締役会長
このたび、畑守人 監事の後任として監事に就任いたしました。よろしくお願いいたします。
監事監査は、監事業務を定めている京都大学監事監査規程にしたがって行ってまいります。
監事監査規程では、監事の基本的姿勢は「(1)公正不偏な立場で適切に監査を実施することにより、本学の掲げる理念・目的が達成できるよう努めなければならない。(2)監査機能の充実・強化を図るため、積極的に監査に必要な情報の入手に心掛けなければならない」と定められ、また、監査の目的は「本学の業務について適正かつ効率的な運営に資すること」と定められています。
監事は、大学運営の意思決定には加わりませんが、大学の重要な業務に関して、業務の実態を正確に把握し、監査し、それに基づく監査結果を公正不偏な立場で総長に報告する責務があります。また必要があると認められる場合は、総長および文部科学大臣に意見を提出する責務があります。このため、監事は総長の任命ではなく、総長と同じく文部科学大臣が任命することとなっており、総長と監事の間には上下関係はありません。
監事監査は「平成24年度監事監査計画(公表します)」に基づいて行ってまいりますが、今年度特に重要と考えている監事監査の視点を3つ挙げさせていただきます。
(1)トップから現場までの一体的な業務運営
監事監査は、京都大学の業務全般を対象といたしますが、京都大学は17大学院、10学部、14附置研究所、23教育研究施設等、6機構等を数える大きな組織であり、業務は広範囲かつ多岐に亘っていますので、監査を網羅的に実施することはできません。そこで、平成24年度は、監査対象を平成24年度の中期計画の中から特に重要と考えられる項目を選び、それに関連する業務について監査を行います。総長サイドから現場サイドまでの業務の流れが一体的に運営されているかについては、特に注視して監事監査を行います。
(2)ステークホルダーを向いた業務運営・業務改善
各部・課等が行っている業務は、最終的にはステークホルダー(学生、教職員、企業、社会、国、世界等)の満足度を向上させることを目的としています。したがって、効果性、利便性、効率性の向上に向けた業務改善の努力は、ステークホルダーの満足度の向上に資するものでなければならないと考えます。そこで、各部・課等における業務運営と業務改善努力が、ステークホルダーの満足度の向上にどのように反映されているかに注視して監事監査を行います。
(3)外部への説明責任
外部に向けての監事監査の役割は、監事監査の具体的内容を社会に説明し、大学の説明責任の機能の一端を果たすことです。したがって、監事監査の結果は、コンプライアンスが確保されているかの事項を含め、外部に公表してまいります。外部への説明責任を果たすことは、社会との対話を通して社会の声を咀嚼し、大学が最良の行動を選択する道に繋がると考えます。
監事業務の遂行には、業務現場の実情についての正確な把握が不可欠で、このためには、事務の現場、研究や教育の現場、病院の現場等を訪問しその現状をお教えいただくことになります。その折には、是非正確な情報提供とそれに関する率直なご意見等をいただきますようお願いします。監事監査が京都大学の発展に繋がり、大学の理念・目的の達成に近づいていけるよう意を尽くしてまいります。