平成20年度京都大学総合技術研究会 挨拶 (2009年3月9日)

第25代総長 松本 紘

松本総長 平成20年度京都大学総合技術研究会にお集りいただきました皆様に京都大学を代表いたしましてご挨拶申し上げます。

 本技術研究会は全国の大学、高等専門学校および大学共同利用機関等に勤務する技術系職員が日常業務で携わっている広範囲な技術的教育研究支援活動について発表と討論を通じて技術の研鑽・向上を図ることを目的に開催されています。

 本技術研究会は33年前の1976年2月26日に分子科学研究所において第1回分子科学研究所技術研究会が開催されたのがはじまりと聞いております。その後、分子科学研究所、高エネルギー物理学研究所(現在の高エネルギー加速器研究機構)、名古屋大学プラズマ研究所(現在の核融合科学研究所)の3研究所が持ち回りで開催されていた技術研究会が国立大学でも開催されるようになり、2000年度に東北大学で開催されて以降、3共同利用機関と大学で交互に開催されています。
  今年度にこのような伝統ある技術研究会を京都大学が当番校として開催できることを大変うれしく思います。

 今回の技術研究会は京都大学の教室系技術職員の業務の幅広い技術分野を反映して、「機械・ガラス工作技術」、「装置関係技術」、「回路・計測・制御技術」、「極低温技術」、「情報・ネットワーク技術」の技術分野のほかに「実験・実習技術、地域貢献」、「生態・農林水産技術」、「医学・実験動物技術」、「分析・物性測定技術」、「建築・土木技術」、「環境・安全衛生管理技術」と幅広い分科会が設けられて総合技術研究会として開催されます。
  本技術研究会においても2日間に渡って活発な発表と討論が行われるものと思います。

 また、大学の役割については、平成18年12月に教育基本法が改正され、教育、研究、社会貢献の3つの柱が定められています。
  大学は教職員や学生・院生で構成されていますが、大学の使命を遂行するために教員、事務職員、技術職員等の全構成員が協力してとりくむことが必要です。
   その中で構成員の一員である技術職員の役割も大きく、業務もこれまで以上に高度で複雑な専門技術力が要求されています。

 京都大学では技術職員の能力、資質等の向上を図るとともに、各部局を横断して教育研究の支援を行う組織として総合技術部を設置していますが、今後、技術職員のあり方の検討、一層の技術職員の能力、資質等の向上および優れた人材の確保並びにこれらを通じた高度かつ効果的な教育研究の支援を行っていかなければなりません。

 最後に、本技術研究会のますますの発展を心よりお祈りするとともに、参加者の皆様にとって今後の技術の向上につながる意義ある意見交換の場となり、活躍されることを祈念申し上げます。

会場の様子