第25代総長 松本 紘
ただいま、司会より紹介いただきました 京都大学総長 松本 紘でございます。
本日は、お忙しいところ第2回iPS細胞研究産業応用懇話会に多数の方にご参加いただき、まことにありがとうございます。
昨年4月に、第1回の懇話会を開催いたしましたが、その時には、山中伸弥教授が樹立したiPS細胞の研究成果を社会に還元する上で、特に産業応用に向けてどのように取り組めばよいのか、ということについて産業界の皆様と意見を交わすことができました。
その際に、iPS細胞の提供を受けたいとの多くのご要望があり、京都大学ではiPS細胞を提供する体制を整えるため早急に対策を考慮いたしました。そして、7月には企業の皆様に有償ではありますが、iPS細胞を提供、あわせて培養技術をお教えする事業を開始し、多数の企業様にご利用いただいております。
また、9月には、かねてから出願していた特許のうち、種を限定せずに体細胞に4つの遺伝子を導入することでiPS細胞が樹立することの特許を、京都大学が取得しました。
iPS細胞研究を取り巻く状況は、急激な勢いで変化しておりますが、その中で、再度、産業界の皆様とご意見を交わす場として、関西経済連合会様のご協力により、第2回iPS細胞研究産業応用懇話会を開催するに至りました。iPS細胞研究の最新の状況をご報告するとともに、その研究成果を産業応用とすべく、産業界の皆様との意見交換を行いたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
私の挨拶の後には、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長でいらっしゃいます菱山 豊様より、ご挨拶がございます。
その後、京都大学研究者からの報告といたしまして、iPS細胞研究センター長 山中伸弥教授ほかから、講演がございます。
また、企業研究者、招待大学研究者、研究者支援者から報告をいたしまして、懇話会の最後に皆様と意見交換をする場でありますフロアディスカッションを予定しております。その後、お時間がございます方におかれては情報交換会にて意見交換を深められればと存じます。
この懇話会が、iPS細胞研究成果の社会還元に一歩も二歩も前進するような機会になりますことを祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。