京都大学「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」国際フォーラム 挨拶 (2006年12月5日)

尾池 和夫

京都大学「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」『Strategies for Industry and Academia Partnership in Drug Development 創薬共同開発における長期大型の産学連携戦略』国際フォーラムにご参加の皆様にご挨拶を申し上げます。

本創薬医学融合研究拠点事業の目的は、大型製薬企業とアカデミアとが協働して中長期的で高い目標を設定した本格的な共同研究・開発拠点を形成し、免疫領域における画期的新薬と新技術の創出にあります。

京都大学は、「研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行う」ことと、「総合大学として、基礎研究と応用研究の多様な発展と統合をはかる」ことを大学の基本理念としております。

京都大学が行うべき重要な活動として、教育、研究のほかに医療があります。この医療には、既存の知識を基にした日常医療を行うことも含まれております。これは地域社会へ貢献することであります。一方で、大学が担う医療として大切なことは、新しい医療を創造すること、先端医療の研究で世界に貢献することです。

このたび、京都大学が提案している「次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点」は、日本の医学、薬学、生命科学の各分野を先導する京都大学の医学領域分野と、日本のグローバルな製薬企業とが協働で形成した拠点において、創薬医学研究者の育成を図りつつ、画期的な臨床薬・新薬の開発を目指すものです。

今日のこの国際フォーラムは、創薬医学融合研究拠点事業の一環として、大型製薬会社とアカデミアとの研究・開発の連携とマネージメントに大きな実績を示してこられた国内外のトップクラスの方々を招へいし、これらの方々が経験された我が国では類を見ない大型で長期の産学連携の成果と、その結果明らかになった課題等についてご披露いただくものです。

本国際フォーラムにより、日本に求められる創薬活動の在り方を、実践、理論の両面から深めていただき、我が国における創薬活動の新しい在り方を提言いただければと思います。

参加されました皆様にとりまして、実りあるフォーラムとなることを祈念してわたしのご挨拶とさせていただきます。

たくさんの方々のご参加、まことにありがとうございます。