野生動物研究センターでは、ブラジル国立アマゾン研究所(INPA)とともに、国際協力機構(JICA)および科学技術振興機構(JST)による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「“フィールドミュージアム” 構想によるアマゾンの生物多様性保全プロジェクト」を実施しています。
この度、同プロジェクトにおいて、自然観察・研究の拠点となる「フィールドステーション」が完工しました。「フィールドステーション」はアマゾン流域でも他に例を見ない、浸水林を中心とした長期研究拠点となることが期待されています。
同プロジェクトでは、本学とINPAが協力し、失われつつあるアマゾンの貴重な生態系の研究を進めている他、各種自然観察研究施設と保護区をネットワークとして繋ぐ「フィールドミュージアム」を整備し、環境教育、エコツーリズムを推進しています。
今回、その一環として、アマゾン川の支流にあるクイエイラス地域に研究拠点として「フィールドステーション」を整備することとなり、ここに、社会貢献活動方針の一つに環境保全を掲げる伊藤忠商事株式会社からの寄附により、食堂や展示会場など来訪者が集う施設(ビジターセンター)も建設されました。
産官学協働で整備したフィールドステーションでは、浸水林とテラフィルメ(水没しない地域)の双方の、動植物の長期モニタリングが可能となります。これにより、アマゾンの熱帯林に係る先進的な研究が実施されるとともに、環境教育活動が一層活性化し、アマゾンの生物多様性保全につながることを目指します。
5月には現地にてエコツアーの試行も兼ねた開所式典を開催する予定で、式典には山極壽一 総長、猪股淳 伊藤忠ブラジル会社社長(4月1日就任予定)の出席も予定されています。