昨年8月24日に、記者会見を通して肝細胞増殖因子(HGF)を使って劇症肝炎の患者の肝臓を再生させる世界初の治療についての臨床試験(治験)を9月から実施することを発表した。 これまで新薬の治験は企業主導であったが、2003年の薬事法改正で医師主導が可能となり、国内外の未承認薬を使っては国内では初めての例となる。
2007年の6月までに、16人の劇症肝炎患者について実施する予定であり、HGFを投与することにより対象疾患の進展を阻止し、肝再生を促進することで生存率を高めることができるかを検証していくものである。
3月31日の記者会見で、亜急性型劇症肝炎の患者さんに1例目の治療を行ったと発表。1例目の患者さんは、地元の病院へ再転院した後、容態が悪化して亡くなられた。
本学の医学部、当院の4人で構成される独立データモニタリング委員会のメンバーが、すべてのデータに基づき安全性と治療効果を評価し、今回のHGF投与と直接結びつくような腎機能の悪化などはなかったため、計画している16例で判定したいとしている。
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