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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ33は、「京都大学の女性リーダーたち」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。シリーズ33の第4回は、「免疫のしくみ-生体の恒常性維持-」と題し、稲葉カヨ 理事・副学長が講演を行いました。
稲葉理事・副学長は、まず免疫反応は体内の恒常性を維持するための生体防御機構であるとし、関わる臓器や細胞とその働きについて解説しました。免疫を担当する細胞が病原体などの異物を認識し特異的に応答する免疫応答が、身体を守る大切な機能であること、しかしながら、本来自己の細胞や抗原に対して免疫反応を起こさないようになっている(免疫寛容)はずが、何らかの要因(老化もそのひとつ)でバランスを崩すと様々な病気(膠原病と総称される)を引き起こすと説明し、その事例の1つとして花粉症を紹介しました。そして、免疫の働きは治療にも応用され始め、がんや難病の治療における切り札として期待されていると、講演を締めくくりました。
講演後は、参加者による積極的な質疑応答が繰り広げられ、来場者からは、「次々と新しい免疫の仕組みが明らかになっていく様が、大きな流れとして提示されたように思います」、「今回のシリーズでは京大の女性の先生方のユニークな研究のあらましを知る事ができ、たいへん有意義な講義でした」などの感想が寄せられました。