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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ30は、「明治150年-明治の歩みを考える-」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。
シリーズ30の第2回は、「国産初の長距離海底ケーブル、日本-台湾-中国大陸を結ぶ」と題し、貴志俊彦 東南アジア地域研究研究所教授が講演を行いました。
貴志教授は、江戸幕府政権時に締結された不平等条約の改正に向けて、明治政府が実施した通信自主権の回復の取り組みを、当時の海底電線設置状況、対外通信の独占状況等とともに紹介しながら、明治以降の海底線布設について解説しました。
具体的には、台湾の植民地化を契機に和文による日本内地~沖縄~台湾~中国本土の通信が可能となったこと、明治政府の課題であった不平等条約の解消としての通信自主権の回復が通信特許状の条規規定により実現できなかったことなどを時系列に、当時の時代背景を踏まえながら解説しました。
来場者からは「教科書には載っていない通信面からの戦争の話を聞いたのは、初めてだったのでとても面白かった」、「普段着目していない面から歴史を理解できて非常に有意義だった」などの感想が寄せられました。講演後は、参加者による積極的な質疑応答が繰り広げられ、盛況のうちに終了しました。
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