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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ27は、「国際社会の中の日本 -日本の果たす役割-」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。
シリーズ27の第1回は、「トランプ時代の暮らしと経済」と題し、宇佐美誠 地球環境学堂教授が講演を行いました。
宇佐美教授は、まず、ヨーロッパのイスラム系移民の排斥やブリグジット(イギリスのEU離脱)、アメリカの2016年トランプ大統領当選の際の公約内容等に触れながら、いま世界で何が起こっているか欧米を中心に説明しました。また、トランプ政権のこの一年を振り返り、イスラム7カ国からの入国禁止の大統領令、TPP離脱、環境政策の後退、株価の動向などの政策や国内外の反応について話しました。そして、トランプ政権・欧州右翼政党の共通点として、ポピュリズム(「人民」主義)、プロテクショニズム(保護貿易主義)、パロキアリズム(自国中心主義)をあげ、特にトランプ政権の特徴である排除志向型のポピュリズムについて、さまざまな政治家や政治史を例に出しながら解説し、トランプ政権をどう理解するのか、そしてトランプ政権が国際社会にどのような影響を及ぼすのかについて、詳しく説明しました。
来場者からは、「トランプ政権におけるポピュリズム、排除志向型についての考えは非常に分かり易く、納得できた」、「トランプ大統領がもたらす世界への影響について理解が進んだ」という感想が寄せられ、国際政治研究の知に触れる機会となりました。