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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ24は、「時を知る」をテーマに東京オフィスで開催しました。
シリーズ24の第2回は、「体の時計は今何時?」と題し、岡村均 薬学研究科教授が講演を行いました。
岡村教授は、身体のリズムの元は時計遺伝子の転写振動によるものであり、時計遺伝子は地球のほぼ全生物に認められる基本的遺伝子であると説明しました。その作動原理や生体リズム等を具体的に最新の研究結果を交えながら、時計遺伝子が細胞内でリズムを刻んでいること、生体リズムは遺伝子、細胞、器官、個体と全レベルで生成・増幅されること等の階層的制御機構について解説しました。そして、現代社会の交代制勤務や長時間労働等といったライフスタイルの変貌による生体リズムの異常が、睡眠異常、うつ病、高血圧、メタボリックシンドローム、発癌、骨粗鬆症等の生活習慣病に関係する病気の発症、進展に関与すると話しました。このような生体リズム障害に対しては、規則正しい時間に起きて時計遺伝子を調律することが必須であると言及しました。
来場者は、さまざまな具体例を提示する岡村教授の講演を熱心に聴いていました。