徳島地すべり観測所の野外見学に参加した小学生
京都大学では、北は北海道から南は九州まで、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じて、それぞれの地域社会における「京都大学の窓」として親しまれてきました。
隔地施設の活動を知ってもらうため、2015年度も2014年度に引き続き、「京大ウィークス2015」として、期間中、26施設でさまざまな公開イベントを集中的に行いました。今回は和歌山研究林、徳島地すべり観測所、幸島観察所が新たに加わり、全国でのべ、7,007名の方々の参加がありました。
- 「京大ウィークス2015」開催告知
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/weeks/2015.html
「京大ウィークス2015」各施設の公開イベント
北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」(10月17日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター北海道研究林白糠区において、ミニ公開講座「自然観察会」を開催しました。
今回は30名の応募があり、当日は26名の参加がありました。管理棟にて開会式および概要説明を行い、その後車で研究林内の遊歩道に移動し、自然観察を行いました。全体を三つのグループに分け、教員・技術職員の解説を聞きながら遊歩道を歩きました。アンケートでも好評で「参加して良かった」との感想が多く寄せられました。
飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」(10月10日(土曜日)~12日(月曜日・祝日))
理学研究科飛騨天文台は、2泊3日で社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」を開催しました。
今回は、最初の2日間を飛騨天文台で過ごすプログラムとし、初日は飛騨天文台での研究活動を紹介する講演と、東洋最大の屈折望遠鏡を用いた夜間天体観望を行いました。まずまず天候にも恵まれ、アンドロメダ星雲などの詳細を、肉眼で観察することができました。2日目はドームレス太陽望遠鏡や太陽磁場活動望遠鏡を用いた太陽黒点・プロミネンス・分光スペクトルなどの観察を予定していましたが、曇天となり、直接リアルタイムでの太陽像を観察することはできなかったものの、蓄積されてきた観測画像や動画による太陽活動の様子を観望したり、さまざまな工夫が施された大規模な観測装置の見学をゆっくり時間を掛けて行うことができました。参加者からは多くの質問も出て、このツアーを通して、普段の生活では疎遠になっている大自然を科学的視点から眺める楽しみを体験する機会となったようでした。
上宝観測所および穂高砂防観測所 合同公開:京大ウィークス版(10月17日(土曜日))
防災研究所穂高砂防観測所は、上宝観測所との合同で「合同公開:京大ウィークス版」を開催しました。
奥飛騨温泉郷中尾にある中尾公民館において、「飛騨山脈の地震と火山」(大見士朗 防災研究所上宝観測所准教授)、「山地で起こる様々な土砂災害」(堤大三 防災研究所穂高砂防観測所准教授)、「山地河川で水・土砂はどう測る?」(宮田秀介 防災研究所穂高砂防観測所助教)の講演を行いました。中尾地区、上宝町からや上宝支所の職員の参加もあり、「焼岳の恩恵を受けて生活している中で、これまでにどのような災害があったのか、今後どのようなことが起きる可能性があるのかを知ることが出来たのは非常に良かった」などの声が寄せられました。
霊長類研究所 第25回市民公開日(10月25日(日曜日))
霊長類研究所で、第25回市民公開日を開催しました。
今回は10代から70代までの幅広い年齢層から、計77名の来訪があり、研究所周辺の市町村だけでなく、関東や近畿地方など遠方からもたくさんの参加がありました。当日は、最新の研究成果についての講演「類人猿にみる平和共存のメカニズム」の後、チンパンジー施設やニホンザルの放飼場、展示資料室など、研究所内の見学を行いました。参加者は、熱心に見学、質問し、「普段は見学できないので、毎年とても楽しみにしている」、「いつも外から見ている施設を見学できると、親しみが持てる」などの感想が寄せられました。
信楽MU観測所 MUレーダー見学ツアー2015(10月10日(土曜日))
生存圏研究所信楽MU観測所で、信楽MUレーダー見学ツアー2015を開催しました。
信楽MU観測所のMUレーダーは、世界最高性能の大気観測用大型レーダーで、 1984年の完成以来、国内外の研究者に対して共同利用に供されています。今回の見学ツアーには、165名の応募があり、当日は午前・午後それぞれ74名・55名の参加がありました。山本衛 生存圏研究所教授による講演の後、2班に分かれて、MUレーダーおよび関連機器の見学を行い、最後に気球観測の実演を行いました。天候にも恵まれ、好評のうちに終了しました。
流域圏総合環境質研究センタ- 施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」(10月24日(土曜日))
工学研究科流域圏総合環境質研究センターで、施設公開「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」を開催しました。
このイベントは、当センターの環境問題に関する研究活動を一般の方々に紹介することを目的として、毎年開催しているものです。今回の参加者は中高生6名、社会人4名の計10名でした。当日は、センター長の挨拶、流域圏総合環境質研究センターの概要説明、ミニ講義に引き続き、隣の下水処理場に設置してある水質浄化の実験プラントを見学、その後、2班に分かれて、実験棟の見学を行いました。実験棟では「生物試験の説明」、「高度分析機器の説明」、「水質分析体験」を行いました。参加者からは「説明が丁寧でわかりやすかった」、「水質分析体験が面白かった」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。
生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」(11月7日(土曜日))
生態学研究センターで、一般公開「学校で習わない生き物の不思議」を開催しました。
この一般公開は、地域住民に本センターを紹介するとともに、科学に対する興味や関心を刺激し、学習の芽を育むことを目的に、毎年開催しているものです。今回は定員を上回る応募 者 があり、当日は80名の参加がありました。センター長より、生態学研究センターで行っている研究を説明した後、教員から「生き物の数の変化をシミュレーションしよう!」、大学院生から「季節を知って咲く花のひみつ」と題して二つの講演を行いました。その後に「生態研センターの森・自然観察会」を行いました。研究内容等について熱心に質問する参加者もあり、大学の研究者と積極的に会話をして交流を深めたいという雰囲気が感じられました。参加者からは、「貴重な研究の話、子どものするどい質問に驚きました」、「とてもわかりやすく面白かったです」などの感想が寄せられました。今回も、小さな子どもから年配の方まで幅広い方の参加があり、遠方からの参加者も見受けられました。
芦生研究林 一般公開(10月17日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター芦生研究林で、一般公開を開催しました。
このイベントは、本学の最新の研究成果を示すとともに、訪問者が芦生研究林の自然に親しむ機会として開催しているものです。2014年度までは20名限定の公開講座形式で実施していましたが、今回から自由参加型の一般公開とし、目標人数を大きく上回る145名の参加がありました。当日は、教員によるレクチャー、絵画教室、草木染め体験、薪割り体験、教職員による散策ツアーなどを実施しました。参加者には、多彩なイベントを通して自然のすばらしさを学び、またそれを研究する科学者と触れ合う機会となりました。参加者からは、「とても楽しかった、来年もぜひ参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
上賀茂試験地 秋の自然観察会(11月7日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地で、秋の自然観察会を開催しました。
定員30名に対し62組112名の応募があり、12組26名の参加がありました。当日は9時より受付を開始、9時30分より德地直子 上賀茂試験地長による試験地の概要説明を行い、3班に分かれ教職員の案内で約2kmの観察コースを2時間半ほど散策しました。試験地内に生育している樹木や生息する動物、試験地で行われている研究や業務などの解説を行い、温室と標本館の見学も行いました。
花山天文台 ギャラリーウィーク・一般公開・野外コンサート(10月10日(土曜日)~12日(月曜日・祝日)、10月17日(土曜日)、10月24日(土曜日))
理学研究科花山天文台では、10月10日~12日にかけてギャラリーウィーク2015、17日に一般公開、24日に野外コンサートと、三つのイベントを行いました。
ギャラリーウィーク2015では宇宙をテーマとしたさまざまなアート作品の展示を行いました。一般公開では望遠鏡や観測装置の展示と解説のほか、4次元デジタル宇宙シアター、工作教室、月の観望なども行いました。野外コンサート「月と音の夕べ」では、世界的な音楽家である喜多郎氏の音楽と宇宙の映像を組み合わせたDVD「古事記と宇宙」の上映と、喜多郎氏、高橋恵子氏、萩田ユカリ氏、海老原慎二氏のコンサートを行いました。タイプの異なるイベントでしたが、いずれも宇宙を核とした、天文台の幅広い活動を紹介するもので、天文学に興味のなかった人も含めて、来場者によるアンケートでは好評で、宇宙や天文台に親しみを持ってもらえるものとなりました。
宇治キャンパス 宇治キャンパス公開2015「宇治からひらく科学のトビラ」(10月24日(土曜日)、25日(日曜日))
宇治キャンパスで、宇治キャンパス公開2015「宇治からひらく科学のトビラ」を開催しました。
このイベントは、宇治キャンパスで行っている科学研究活動の一端を紹介することを目的に、毎年開催しているものです。毎年足を運ばれる方も増え、3,400名を超える来場者がありました。両日とも、研究所等の教員の講演、研究所紹介の展示、普段は見ることができない研究施設や実験室の公開など幼児から高齢者まで楽しめる工夫をこらしたプログラムを用意しました。いくつかの体験コーナーでは、参加者は真剣に実験に取り組み、壮大なテーマから身近にもある研究や発見など、バラエティに富んだいろいろな科学の世界とその奥深さを体験しました。同時開催した「スタンプラリー」も賑わい、たくさんの方が秋の1日を楽しみました。参加者からは、「また是非参加したい!」、「ずっと続けてください」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」(10月25日(日曜日))
防災研究所宇治川オープンラボラトリーで、公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」を開催しました。
今回は天候にも恵まれ、過去最高だった2014年度と同数程度の440人の一般来場者に加えて、3組の団体の来場がありました。参加者は、体験学習などを通して、視覚的・感覚的に水の強さや水害の恐ろしさを体感しました。アンケートには、「防災の必要性を感じた」、「テレビで見るだけでは実感がわかなかったことが体験できてよかった」などの声が寄せられました。
農場 京大農場オープンファーム2015(11月3日(火曜日・祝日))
農学研究科農場において、京大農場オープンファーム2015を開催しました。
「京大高槻農場の歴史と新たな出発」を基本テーマとし、公開講座、水田・蔬菜・果樹圃場を見学する農場ツアー、「イネの収穫」などの農業体験実習、「渋柿の渋抜き」をはじめとする公開ラボの他、各種展示や農場農産物の即売を通して、農業生産に関わる先端的研究、農学教育、実践的農業生産など、多面的機能を有する農場の活動内容を公開しました。想定していた定員をはるかに上回る641名の参加があり、特に農産物の即売や農場ツアーは大盛況でした。公開ラボや農業体験実習の人気も高く、定員は間もなくいっぱいとなり、実験器具展示やポスター展示では来訪者が熱心にスタッフの説明に聞き入っていました。公開講座も講義室が満席となり、講義の模様をサテライト方式で屋外でも公聴できるようにしたところ、多くの聴衆が集まり、たいへん好評でした。
阿武山観測所 京大ウィークス2015スペシャルプログラム(11月2日(月曜日)、3日(火曜日・祝日))
防災研究所阿武山観測所で、京大ウィークス2015スペシャルプログラム「体験・発見!地震観測の歴史と、最先端の地震観測」を開催しました。
「大森式地震計」を初公開し、参加者は、レクチャーと展示ガイドツアーで地震観測・地震学の歴史を学びました。また、超小型地震計「満点地震計」を使った体験コーナーや実際に観測された地震波形の揺れを再現する装置「地震ザブトン」の試乗体験など多彩な経験を通じて最先端の地震学について理解を深めました。
地震ザブトンで地震体験
原子炉実験所 アトムサイエンスフェア講演会・実験教室 (10月17日(土曜日)、25日(日曜日))
原子炉実験所で、10月17日にアトムサイエンスフェア講演会、25日にアトムサイエンスフェア実験教室を開催しました。
原子炉実験所では、幅広い年齢層の方々に広く科学に興味を持ってもらうことを目的に、アトムサイエンスフェアを毎年開催しています。10月17日の講演会には41名が参加し、「中性子を利用した植物におけるホウ素の栄養診断法について-なぜ植物におけるホウ素のふるまいを調べる必要があるのか-」と「放射線が拓く生命の謎」の二つの講演を行いました。25日の実験教室には51名の小中学生の参加がありました。子どもたちは、トリックアートや霧箱実験などに真剣に取り組み、科学の面白さを体験しました。いずれのイベントも好評のうちに終了し、「分かりやすかった」、「もっと知りたい」、「また参加したい」等の感想が寄せられました。
和歌山研究林 ミニ公開講座(10月25日(日曜日))
フィールド科学教育研究センター和歌山研究林で、ミニ公開講座を開催しました。
このイベントは、本施設の存在および意義、教育・研究内容を地域を中心とした一般市民の皆さまに知ってもらうことを目的に実施するものです。2014年度までは紀伊半島大水害による災害復旧工事で開催できませんでしたが、工事が一段落した今回、初めて開催しました。定員を上回る22人の応募がありました。当日は有田川町清水行政局駐車場に集合し、2台のジャンボタクシーで林内に向かいました。現地では2班に分かれ、研究林教員および技術職員の解説により、主に標高の高い尾根部で自然観察を行いました。参加者は樹木の種名だけでなく、その形態や生息地など生存戦略の多様性や、木材の資源としての利用と課題に関して理解を深め、「イベントがあって本当にうれしい。和歌山、特に有田の人がもっと良く知るべき」、「大学での研究についても知りたいし、他の体験もしたい」などの感想が寄せられました。
白浜海象観測所 観測船を使った海象観測の実体験(10月10日(土曜日))
防災研究所白浜海象観測所において、公開イベント「観測船を使った海象観測の実体験」を開催し、和歌山県内、京都府から3名の参加がありました。
当日は、まず観測所において田辺湾湾口にある「田辺中島高潮観測塔」および観測船「海象」を用いた現地観測活動を概説した後、実際に観測船に乗って観測塔付近まで移動しました。観測塔の見学を行い、観測塔から戻る途中で水温・塩分濃度の観測体験を実施しました。観測結果については、観測所に戻ってからグラフを描いて説明を行いました。
瀬戸臨海実験所 施設見学会(10月31日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所で、施設見学会を行いました。
このイベントは、瀬戸臨海実験所に対する理解を深めてもらうことを目的に、京大ウィークス開始時より毎年開催していますが、特に今回は、吉野熊野国立公園が拡張され実験所周辺海域が海域公園地区に指定されたことを踏まえ、環境省近畿地方環境事務所主催のパートナーシップ事業として実施しました。当日は所長挨拶のあと、「実験所・水族館の歴史と意義」、「畠島実験地の歴史と国立公園化の意義」に関する2題の講演を行い、引き続き畠島実験地に車と船(実験所所有の「ヤンチナ」)で移動し、島の環境や建造物について実地解説を行いました。帰所後、希望者は、水族館を閉館時間まで自由見学しました。講演や畠島での解説時には、さまざまな質問が出て、参加者全員が非常に興味を持って参加していることが、現場の雰囲気やアンケート結果からもうかがえました。
潮岬風力実験所 気象観測の実体験(11月7日(土曜日))
防災研究所潮岬風力実験所で、「気象観測の実体験」を開催しました。午前は一般公開、午後は高大連携のイベントとし、午前に39名、午後に15名の参加がありました。
当日は、野外実験場で、3次元超音波風速計、赤外線水蒸気二酸化炭素計測装置を使って地面近くの風や気温、水蒸気、二酸化炭素の細かい変動を観測する仕組みを紹介しました。その後、ヘリウムを入れた風船にGPSゾンデ(気温、湿度を測定する機器)を取り付けて高さ16km付近まで上昇させ、上空の大気状態の観測のデモンストレーションを行いました。午後の高大連携イベントでは、午前中と同様に実験観測施設の見学およびGPSゾンデによる上空観測のデモストレーションを実施するとともに、場所を串本古座高校に移しての模擬講義および高校生と大学院生との交流を行いました。
徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座(10月31日(土曜日))
フィールド科学教育研究センター徳山試験地で、周南市との共催により周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座を開催しました。
今回のイベントでは、現在の徳山試験地を見学するとともに、昭和41年移転前の旧京都大学演習林のあった西緑地を歩き、当時集められた国内外の樹木などについて解説を行いました。午前中は徳山試験地をフィールド科学教育研究センターの教員2名が案内・説明をし、午後からは西緑地公園を周南市のみどり案内人の2名が案内・説明を行いました。参加した高校生からは、「普段の授業や日常では味わえない感動をし、新たな発見があった」などの声が寄せられました。
徳島地すべり観測所 施設公開と地すべり・活断層の野外見学(10月17日(土曜日))
防災研究所徳島地すべり観測所で、初の一般公開である施設公開と地すべり・活断層の野外見学を開催しました。
当日は、地すべり観測所や近くの地すべり観測地および活断層を巡るツアーを行いました。参加者は小学1年生の児童から80歳の方を含む24名でした。 ツアーは3台のバスで巡り、まず、地すべり観測所にて、地すべり地から採取したボーリングコーアを用いて、結晶片岩およびすべり面の特徴などについて紹介しました。次に、長期かつ高密度で地すべり計測を行っている西井川地すべり地において、地すべりの地質・地形・変動特徴を紹介し、種々の地すべり観測機器を説明した上で、参加者のジャンプで起こした地震動の観測・解析を行い、参加者各々のジャンプによる地震動特徴を説明しました。最後に、中央構造線の活動による地形変化および断層露頭についても詳しく説明した後に、参加者が実際に観察を行いました。
地球熱学研究施設 施設公開・講演会・地獄ハイキング・ライトアップ(10月30日(金曜日)~11月1日(日曜日))
理学研究科地球熱学研究施設で、10月31日に施設公開と公開講演会を、11月1日に地獄ハイキングを、また10月30日と31日に登録有形文化財建物のライトアップを実施しました。
施設公開では、水や温泉、大分・別府の地質と災害に関する展示とその説明、野外実験・体験を行い、151名の参加がありました。参加者は、展示や説明に熱心に耳を傾けていました。また、公開講演会では多くの質問がありました。地獄ハイキングでは、地質や温泉の説明を聞きながら、気持ちよく歩けたとの感想がありました。
火山研究センター 登録有形文化財記念講演会・所内公開(11月6日(金曜日)、7日(土曜日))
理学研究科火山研究センターでは、南阿蘇村教育委員会との連携により、11月6日に登録有形文化財記念講演会を、7日に火山研究センターの一般公開を開催しました。
このイベントは、火山研究センター本館が国の登録有形文化財(建造物)に登録されたことを機に、本学の活動や火山研究を地元に周知し、かつ地元と本学との連携をさらに強固なものとすることを目的としたもので、当日は、「電磁波がつくる大気環境、電磁波で探る地球環境」、「阿蘇火山の活動状況について」の二つの講演を行った後、火山研究センターの職員が、会場に展示したポスターを使い、センターの研究について説明を行いました。講演には、地元中学生260名も含め、合計300名の参加がありました。翌日の一般公開では、火山研究センターの歴史、火山研究の最前線のポスター、実験などを披露しました。親子連れなどおよそ100名の参加があり、「親切に説明していただいて分かりやすくてよかった」、「実験もありとても興味を持った。5階からの展望は最高でした」などの声が寄せられました。
幸島観察所 公開講座「1日研究体験-幸島のサルの観察-」(11月7日(土曜日))
野生動物研究センター幸島観察所で、公開講座「1日研究体験-幸島のサルの観察-」を開催しました。
当イベントは幸島やニホンザルについて広く一般の方に知ってもらうため、今回はじめて実施しました。当日は、県内外から20名の参加があり、幸島島内でサルの調査や島内の森林の散策を体験し、間近で見るサルの姿に驚き、感激していました。野外観察の後は観察所に戻り、サルの生態や現在の研究についての講義を行いました。参加者からは「また参加したい」、「大満足でした」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。
桜島火山観測所 施設探検ツアー・施設公開(10月24日(土曜日)、25日(日曜日))
防災研究所桜島火山観測所では、10月24日、25日に施設探検ツアーを、2日目の25日には施設公開を行いました。
施設探検ツアーは多くの申し込みがあり、両日とも定員に達し、二日間で89名の参加がありました。ハルタ山観測坑道に入っての観測機器と観測坑道の役割についての説明では、参加者から多数の質問がありました。普段入れない場所だけに、参加者は坑道内を熱心に写真に納めていました。次ぎに訪れたハルタ山観測室(旧桜島火山観測所)では、屋上から桜島を間近に望み、目の前に見える急峻な北岳と活動中の南岳の説明や錦江湾を含めた姶良カルデラについての解説があり、50年以上稼働している機械式地震計と気圧計を見学しました。最後に訪れた黒神観測室では、火山灰測定のための新規設置装置であるライダー装置の稼働の様子を見学し、昭和火口の観察を行いました。施設公開では、大正噴火時から現在の噴火までの写真や映像、開所当初から行っている煤描き地震記録装置、噴火予知をする最新データ処理装置と、新設の火山灰ライダー観測装置の解説が好評でした。