抗うつ作用に重要な脳の領域を発見―新しいうつ病治療法の開発に期待―

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 内田周作 医学研究科特定准教授(現:名古屋市立大学准教授)、大槻元 同特定教授、村井俊哉 同教授、大石直也 同特定准教授、九野(川竹)絢子 医学部附属病院研修医(現:米国マウントサイナイ医科大学博士課程学生)らの研究グループは、新しい抗うつ薬として期待されているケタミン誘導体による持続的な抗うつ作用には視床室傍核とよばれる脳の領域が重要であること、そして分子メカニズムを発見しました。既存の抗うつ薬は効果発現まで時間を要すること、治療効果が限定的であること、再燃しやすいことが問題となっています。本研究成果から、持続性を有する新しいタイプの抗うつ薬の開発につながることが期待できます。

 本研究成果は、2024年2月20日に、国際学術誌「Neuron」にオンライン掲載されました。

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研究結果のまとめ(発表論文の図を一部改変)
研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.neuron.2024.01.023

【書誌情報】
Ayako Kawatake-Kuno, Haiyan Li, Hiromichi Inaba, Momoka Hikosaka, Erina Ishimori, Takatoshi Ueki, Yury Garkun, Hirofumi Morishita, Shuh Narumiya, Naoya Oishi, Gen Ohtsuki, Toshiya Murai, Shusaku Uchida (2024). Sustained antidepressant effects of ketamine metabolite involve GABAergic inhibition-mediated molecular dynamics in aPVT glutamatergic neurons. Neuron.