野生イルカのうんちから年齢を推定-野生水生動物の糞から抽出したDNAのエピジェネティッククロックを用いた年齢推定に世界で初めて成功-

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 村山美穂 野生動物研究センター教授、齐惠元 理学研究科博士後期課程学生、新井花奈 同博士後期課程学生、八木原風 三重大学博士後期課程学生、森阪匡通 同教授、吉岡基 同教授(現:同理事)、北夕紀 東海大学准教授、小木万布 御蔵島観光協会事務局長らの研究グループは、御蔵島観光協会の協力のもと、糞の中に含まれるイルカのDNA情報を用いて年齢を推定する手法を開発しました。

 イルカをはじめ野生動物の年齢推定には、寿命を超える長い期間での観察研究や、動物の捕獲を必要とする方法が一般的であったため、長寿の野生動物の年齢推定はきわめて難しい状態でした。本研究は、野生水生動物の糞などの非侵襲的な試料由来のDNAに対して、初めてエピジェネティッククロック解析に成功した画期的な研究成果です。ミナミハンドウイルカの生態理解と保全に役立つのみならず、他の野生動物への応用への第一歩となる可能性があります。

 本研究成果は、2023年12月2日に、国際学術誌「Molecular Ecology Resources」にオンライン掲載されました。

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糞をするミナミハンドウイルカ。煙幕状になった糞の中に存在する塊(固形物)を選択的に採取した。写真提供:御蔵島観光協会
研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1111/1755-0998.13906

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/286603

【書誌情報】
Genfu Yagi, Huiyuan Qi, Kana Arai, Yuki F. Kita, Kazunobu Kogi, Tadamichi Morisaka, Motoi Yoshioka, Miho Inoue-Murayama (2024). Non-invasive age estimation based on faecal DNA using methylation-sensitive high-resolution melting for Indo-Pacific bottlenose dolphins. Molecular Ecology Resources, 24(2):e13906.

メディア掲載情報

朝日新聞(1月18日夕刊 5面)に掲載されました。