市販薬乱用に関して投稿された質問の分析―Yahoo!知恵袋内テキストデータの定性分析―

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 昨今、市販薬の過剰摂取に対する社会的関心が急速に高まっています。中山健夫 医学研究科教授、刈谷梓 同博士課程学生らのグループは、医療機関や薬物依存回復支援施設を受診するほどの症状はみられないが、今後依存に陥る危険のある潜在している市販薬乱用者の存在に焦点を当て研究を実施しました。この研究の対象は、日本最大のQ&AサイトであるYahoo!知恵袋です。市販薬乱用に一般的に使用される医薬品名「ブロン®」とキーワード「オーバードーズ」、「OD」を用いて検索を行い、テキストデータを抽出し、テーマ分析を行いました。Q&Aサイト内では、オーバードーズしている、またはオーバードーズしようとしている人々が、乱用に対する期待や不安に関する質問をしていました。また、依存症になった場合には、オーバードーズをやめるためのアドバイスを求めていました。インターネットは市販薬乱用に関する情報交換に利用されています。この研究は、市販薬乱用に関する信頼できる情報を作成し、普及させることが必要であることを示唆しています。また、オーバードーズの機会を減らすためには、薬局やドラッグストアからのサポートも不可欠であるとしています。

 本研究成果は、2023年11月22日に、国際学術誌「JMIR Formative Research」にオンライン掲載されました。

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研究者のコメント

「国内において、医療機関における市販薬乱用者に関する調査などの報告はありますが、専門機関を受診していない潜在する乱用者を対象とした研究は、これまで行われていませんでした。現在、専門機関でフォローされているのは氷山の一角であり、埋もれている市販薬乱用者の存在に目を向ける必要があります。市販薬を乱用している人々が抱える不安を把握し、適切なサポートを提供することが必要と考えています。」

研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.2196/45021

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/286293

【書誌情報】
Azusa Kariya, Hiroshi Okada, Shota Suzuki, Satoshi Dote, Yoshitaka Nishikawa, Kazuo Araki, Yoshimitsu Takahashi, Takeo Nakayama (2023). Internet-Based Inquiries From Users With the Intention to Overdose With Over-the-Counter Drugs: Qualitative Analysis of Yahoo! Chiebukuro. JMIR Formative Research, 7:e45021.