エキゾチックアニマルカフェ(EAC)は、飲食をしながらエキゾチックアニマルを見て楽しんだり、触れたりできる施設です。展示される動物には、さまざまな種が含まれます。フクロウカフェのように特化したカフェもあれば、幅広い種類の動物を扱うカフェもあります。これまで日本では、EACで扱われる動物の種類、数量、特徴(例:IUCNレッドリストにおける絶滅のおそれなど)とその影響についての調査が行われたことはありませんでした。
マリ・シゴ フランス国立自然史博物館獣医師・研究者(研究当時:霊長類研究所)、セシル・サラビアン 名古屋大学研究者(研究当時:霊長類研究所)および北出智美 元TRAFFICジャパンオフィス代表の環境保全専門家のチームは、オンライン調査を通じて、EACが日本各地に存在し、ソーシャルメディアを通じて宣伝や拡散がされていること、ワシントン条約規制対象種や侵略的外来種を含む数多くの種を展示していることなどを明らかにしました。研究結果からは、EACビジネスに対する日本の規制の緩さと、そこから生じる生物多様性、公衆衛生、動物福祉への直接・間接的な影響への懸念が浮かび上がりました。
本研究成果は、2023年1月12日に、学術誌「Conservation Science and Practice」に掲載されました。
「京都の繁華街に名古屋の犬山城下町など、日本の観光名所で目を引くエキゾチックアニマルカフェに問題意識を持つようになりました。そこで私たちはまず、『Kawaii but not as pets!(かわいいけれども、ペットではない!)』というイベントを京都大学のアウトリーチグループConserv’Sessionで開催しました。そして、日本におけるエキゾチックアニマルカフェ現象ついて研究がされていないことに気づいたのです。」
【DOI】
https://doi.org/10.1111/csp2.12867
【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/281535
【書誌情報】
Marie Sigaud, Tomomi Kitade, Cécile Sarabian (2023). Exotic animal cafés in Japan: A new fashion with potential implications for biodiversity, global health, and animal welfare. Conservation Science and Practice, 5(2): e12867.
朝日新聞(5月25日夕刊 5面)に掲載されました。