新型コロナウイルスの超高感度・全自動迅速検出装置の開発-汎用的な感染症診断装置としての社会実装に期待-

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 野田岳志 医生物学研究所教授、渡邉力也 理化学研究所主任研究員、篠田肇 同研究員、西増弘志 東京大学教授、濡木理 同教授、武内寛明 東京医科歯科大学准教授、崔龍洙 自治医科大学教授らの研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)由来のウイルスRNAを「1分子」レベルで識別し、迅速に検出できる全自動検出装置の開発に成功しました。

 本研究成果は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの超高感度・迅速診断装置の開発を含む、次世代の感染症診断法の核心技術として社会実装されるものと期待できます。

 今回、研究グループは、2021年に開発した世界最速のSARS-CoV-2検出法「SATORI法」を基盤とし、感度・精度を大幅に向上させた全自動検出装置「automated platform on SATORI;opn-SATORI装置」を開発しました。opn-SATORI装置を用いると、9分以内でウイルスRNAを1個ずつ識別し、検体中の個数を全自動で定量することができます。検出感度は1.4コピー/マイクロリットル(1,000分の1mL)であり、PCR検査法と同等で、COVID-19の診断に十分です。また、1塩基単位の変異を識別できる技術も併せて開発し、臨床検体を用いた検証実験では、陽性判定および変異株判定において、98%以上の正解率を達成しました。さらに、ランニングコストは1検査あたり2ドル程度までコストダウンに成功し、PCR検査法や抗原検査法と同等になりました。

 本研究成果は、2022年5月26日に、オンライン科学雑誌「Communications Biology」に掲載されました。

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新型コロナウイルスの超高感度・全自動迅速検出装置の開発-汎用的な感染症診断装置としての社会実装に期待-
研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s42003-022-03433-6

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/274105

【書誌情報】
Hajime Shinoda, Tatsuya Iida, Asami Makino, Mami Yoshimura, Junichiro Ishikawa, Jun Ando, Kazue Murai, Katsumi Sugiyama, Yukiko Muramoto, Masahiro Nakano, Kotaro Kiga, Longzhu Cui, Osamu Nureki, Hiroaki Takeuchi, Takeshi Noda, Hiroshi Nishimasu, Rikiya Watanabe (2022). Automated amplification-free digital RNA detection platform for rapid and sensitive SARS-CoV-2 diagnosis. Communications Biology, 5:473. 

メディア掲載情報

日刊工業新聞(5月27日 25面)および日本経済新聞(5月27日 38面)に掲載されました。

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