伊福健太郎 農学研究科教授らは、長尾遼 岡山大学特任講師、加藤公児 同特任准教授、沈建仁 同教授、秋本誠志 神戸大学准教授らの研究グループと共同で、クライオ電子顕微鏡を用いて、珪藻の光化学系II-フコキサンチンクロロフィルタンパク質II超分子複合体(PSII-FCPII)の立体構造解析に成功しました。
PSII-FCPII構造の空間分解能が向上した結果、PSIIに結合する全てのFCP遺伝子を同定し、より正確な色素配置を明らかにしました。この結果から、水中で太陽光エネルギーを効率よく収集・逸散する仕組みや、光合成生物が多様な環境に応じて集光性色素タンパク質を進化させてきたことが明らかになりました。
本研究成果は、2022年4月1日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。
【DOI】
https://doi.org/10.1038/s41467-022-29294-5
【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/269184
【書誌情報】
Ryo Nagao, Koji Kato, Minoru Kumazawa, Kentaro Ifuku, Makio Yokono, Takehiro Suzuki, Naoshi Dohmae, Fusamichi Akita, Seiji Akimoto, Naoyuki Miyazaki, Jian-Ren Shen (2022). Structural basis for different types of hetero-tetrameric light-harvesting complexes in a diatom PSII-FCPII supercomplex. Nature Communications, 13:1764.