現在、国際社会は一丸となりCO2排出量の実質ゼロ化に向けた道のりを歩んでいます。この挑戦にあたって期待が寄せられるのが水素ですが、製造時にCO2の排出を避けられない課題が未解決でした。
武田秀太郎 総合生存学館特定准教授は、アンドリュー・チャップマン 九州大学准教授、南ホソク 釜山開発機構研究員と共同で、「森」と「太陽」という自然界に豊かに存在する天然資源から水素を製造可能な革新的なプラントの概念設計に成功しました。本プラントはライフサイクル環境評価の結果、従来用いられてきたあらゆる水素製造法よりCO2の排出量が少ない(水電解の約30分の1)という結果が得られました。
本研究成果は、自然に肥沃に存在する「森」と「太陽」から、ほぼゼロに近いCO2排出量で水素製造する、カーボンゼロ社会実現に向けた全く新しい道筋を切り拓いたものです。
本研究成果は、2021年12月22日に、国際学術誌「International Journal of Hydrogen Energy」にオンライン掲載されました。
【DOI】https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2021.11.203
【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/275773
Shutaro Takeda, Hoseok Nam, Andrew Chapman (2022). Low-carbon energy transition with the sun and forest: Solar-driven hydrogen production from biomass. International Journal of Hydrogen Energy, 47(58), 24651-24668.