Enescu Bogdan 理学研究科准教授、下條賢梧 気象庁技官、八木勇治 筑波大学教授、武田哲也 防災科学技術研究所主任研究員らの研究グループは、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(M9.0)(以下、東北沖地震)の発生13時間後に、長野県北部において発生したM6.2の地震に着目し、当時この地域に稠密に展開されていた地震観測網の連続地震波形データを詳細に解析した結果、東北沖地震発生からM6.2の地震発生までの間に発生していた微小地震活動を検出することに成功しました。
海溝軸付近で発生するプレート間巨大地震とそれに引き続く内陸断層での地震活動の活性化との関係性は、未だによく理解が進んでいません。2011年3月11日の東北沖地震の発生13時間後に、長野県北部においてM6.2の地震が発生しました。
本研究成果によって、これらの微小地震活動が地下の流体の流動やM6.2の震源近傍で発生したゆっくり滑りと関連している可能性があることが明らかになり、東北地震の強い地震動からM6.2の地震発生に至るまでの地震発生過程について新たな知見が得られました。
本研究成果は、2021年4月16日に、国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。
【DOI】https://doi.org/10.1038/s41598-021-86837-4
【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/262698
Shimojo, K., Enescu, B., Yagi, Y. and T. Takeda, Nucleation process of the 2011 northern Nagano earthquake from nearby seismic observations., Sci Rep 11, 8143 (2021).
京都新聞(4月21日 25面)に掲載されました。