墨書は「古今和歌集」収録の一首に該当する可能性が高いことが判明 -京都大学医学部附属病院東構内出土の和歌墨書土器について-

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 吉井秀夫 文学研究科教授、吉川真司 同教授、金光桂子 同教授、千葉豊 同准教授、笹川尚紀 同助教の研究グループは、文学研究科附属文化遺産学・人文知連携センター京大文化遺産調査活用部門が所蔵する12世紀はじめごろの墨書土器を赤外線機器などを用いて再検討した結果、内面の墨書は、最初の勅撰集である「古今和歌集」に収録されている一首に該当する可能性が高いということを明らかにしました。

 墨書土器は、医学部附属病院東構内南東辺(聖護院川原町遺跡)の発掘調査によって出土したものであり、口径約9㎝の土師器小皿で、内外面に墨書が認められます。

 今回の発見は、平安時代後期の和歌文化の様相について考えるうえで、重要な素材を提供したといえます。本研究グループは、今後、この和歌墨書土器が出土した遺跡の性格や和歌が土師器にしたためられた理由などに関して、国文学・考古学・日本史学といった各方面から、多角的に分析を進めていく予定です。

 本研究成果は、2020年12月15日に、本学における記者会見で発表されました。

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図:出土した和歌墨書土器(提供:文学研究科附属文化遺産学・人文知連携センター)
メディア掲載情報

朝日新聞(12月16日 31面)、京都新聞(12月16日 29面)、日本経済新聞(12月21日夕刊 11面)、毎日新聞(2021年1月9日 21面)および読売新聞(12月16日 29面)に掲載されました。