スーパー作物キヌアの多様性を解明 -高い環境適応性と優れた栄養特性をもつキヌアの品種改良に期待-

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安井康夫 農学研究科助教は、国際農研、理化学研究所、鳥取大学、株式会社アクトリーと共同で、世界で栽培されている南米原産のキヌア系統から純系の系統コレクションを作出し、キヌア系統の多様性を明らかにしました。

それぞれのキヌア系統について、種子の重さや背丈、茎の直径などの特性を調査し、日本を含む世界の温帯地域での栽培に適している系統を明らかにしました。また、海水と同程度の塩分を含む塩水においても発芽できる系統があることも明らかにしました。

本研究成果により、キヌアのもつ高い環境適応性や優れた栄養特性を支える分子メカニズムの解明に道が拓かれました。また、本研究成果により、原産国のボリビアなどの南米諸国だけでなく、100カ国以上に広がりつつある世界のキヌア栽培国において、干ばつなどの厳しい環境に適応し、優れた栄養特性を持つスーパー作物キヌアの品種の育成が加速し、世界の食料安全保障、栄養改善、飢餓の撲滅(SDGs目標2「飢餓をゼロに」)に貢献することが期待できます。

本研究成果は、2020年10月14日に、国際学術誌「DNA Research」に掲載されました。

図:136のキヌア系統の遺伝子型と表現型のヒートマップ

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1093/dnares/dsaa022

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/255581

Nobuyuki Mizuno, Masami Toyoshima, Miki Fujita, Shota Fukuda, Yasufumi Kobayashi, Mariko Ueno, Kojiro Tanaka, Tsutomu Tanaka, Eiji Nishihara, Hiroharu Mizukoshi, Yasuo Yasui, Yasunari Fujita (2020). The genotype-dependent phenotypic landscape of quinoa in salt tolerance and key growth traits. DNA Research, 27(4):dsaa022.