自然界の「ムダの進化」が 生物多様性を支えることを解明 -生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存-

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小林和也 フィールド科学教育研究センター講師、近藤倫生 東北大学教授、山道真人 クイーンズランド大学上級講師は、兵庫県立人と自然の博物館、理化学研究所、千葉大学、琉球大学、弘前大学、東京大学と共同で、「ムダの進化」こそが、自然界で競争排除を生じにくくしている要因である可能性を理論的に示しました。

生物の装飾や求愛行動などの適応的特徴の進化は、その個体にとっては有利でも、種全体の増殖率への貢献は期待できないことから、種の繁栄にとっては、「ムダの進化」です。本研究では、これまで生物多様性との関係が省みられることのなかった要因が、種多様性の維持にとって重要であることを明らかにしたという斬新な成果を得ました。

本研究結果は、2020年7月9日に、「Trends in Ecology & Evolution」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1016/j.tree.2020.05.011

Masato Yamamichi, Daisuke Kyogoku, Ryosuke Iritani, Kazuya Kobayashi, Yuma Takahashi, Kaori Tsurui-Sato, Akira Yamawo, Shigeto Dobata, Kazuki Tsuji, Michio Kondoh (2020). Intraspecific Adaptation Load: A Mechanism for Species Coexistence. Trends in Ecology & Evolution, 35(10), 897-907.

  • 財経新聞(7月15日)、中日新聞(8月3日 8面)、東奥日報(7月21日 19面)、日本経済新聞(2021年4月18日 26面)、北海道新聞(9月2日夕刊 2面)、毎日新聞(2021年5月25日 13面)、陸奥新報(7月10日)および読売新聞(2021年8月5日夕刊)に掲載されました。
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