宇津木充 理学研究科助教、南拓人 東京大学研究員らのグループは、2014年11月に開始した阿蘇山マグマ噴火の前後に電磁気学的な探査を実施し、噴火に伴う地下の電気伝導度構造の時間変化を可視化することに成功しました。 その結果、火口直下約400mの深さで、水平に広く電気伝導度が下がったことが判明しました。これは、火山ガスの溶け込んだ地下水が、マグマの上昇により沸騰し、地下水の量が広域で減少したことを示唆しています。
噴火発生に伴う電気伝導度の時間変化を三次元的に可視化した研究は、本研究が世界で初めてとなります。今後、同様の手法により火山を常時監視することで、地下熱水系の変化を噴火前に捉え、噴火予測に貢献できる可能性があります。
本研究成果は、2018年8月23日に、国際学術誌「Earth, Planets and Space」のオンライン版に掲載されました。
詳しい研究内容について
書誌情報
【DOI】 https://doi.org/10.1186/s40623-018-0909-2
【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/235325
Takuto Minami, Mitsuru Utsugi, Hisashi Utada, Tsuneomi Kagiyama and Hiroyuki Inoue (2018). Temporal variation in the resistivity structure of the first Nakadake crater, Aso volcano, Japan, during the magmatic eruptions from November 2014 to May 2015, as inferred by the ACTIVE electromagnetic monitoring system. Earth, Planets and Space, 70(1):138.