森里海連環学を通じた持続可能社会の創成を目指して、フィールド科学教育研究センターと公益財団法人イオン環境財団の共催で、2025年3月25日に北部総合教育研究棟にて、第9回森里海シンポジウム「里山里海の今を知る」を開催しました。午前は106名、午後は114名が参加しました。
午前はプレ企画として、連携する全国の高校15校が里山・里海をテーマに、生物の生態や保全に関する研究や、環境DNAやリモートセンシングを使った研究など、日頃の研究成果の発表を行いました。本学教員が審査員となって、各発表について講評と表彰を行いました。
午後のシンポジウムでは、舘野隆之輔 フィールド科学教育研究センター長と西原謙策 イオン環境財団事務局次長から開会挨拶があった後、紺頼楓さん(農学研究科博士前期課程2年生)、横部智浩 フィールド科学教育研究センター特任助教、八柳哲 同特任助教、田中拓弥 同特任講師の4名の講演者が、全国の里山における市民参加型の土壌や植生の調査結果、環境DNA技術を駆使した里海と河川における生物多様性評価、モデル里山・里海形成事業の一環で実施している上賀茂試験地での「里山おーぷんらぼ」の紹介など、「新しい里山・里海 共創プロジェクト」の最新の研究成果を発表しました。
最後の質疑応答では、「里山の植生や現状について、高校生が知っておくべきことはありますか?」という質問に対して、「まずは、近くの里山へ行って、里山を管理している方の話を聞いてみてほしい。また、松枯れやナラ枯れの現状を知ってほしい」と講演者から回答がありました。また「環境DNAでは、河川の両生類を同定できますか?また、その種の量も分かるのですか?」という質問に対して「基本的に、DNA情報が分かっている種について同定ができ、生物の量も分かる」と回答がありました。
アンケートには「今回の交流を通して、改めて里山里海について考えるきっかけになった。来年もぜひ参加したい」、「上賀茂試験地の里山おーぷんらぼに参加してみたい」などの感想が寄せられ、本シンポジウムが好評であったことが伺えました。









