学童保育所「京都大学キッズコミュニティKuSuKu(クスク)」では、KuSuKuアカデミックプログラムの一環として、2025年3月22日と25日に、日本の伝統芸能である能囃子と狂言を体験するイベントを開催しました。
22日は、能楽師・石井流大鼓方の谷口正壽 氏と、能楽師・幸流小鼓方の林大輝 氏をお迎えし、「能囃子体験 つづみを打とう!」を実施しました。まず、鼓の仕組みや、演奏の際に発する掛け声の意味について学びました。掛け声を通じて演者同士の「間」が調和することを知り、子どもたちは能の奥深さに触れました。続いて、京都大学観世会の部員による謡とともに、「安宅」を鑑賞しました。勇壮な弁慶の姿が描かれるこの演目では、小鼓のやわらかく繊細な響きと、大鼓の鋭く力強い音が相まって、子どもたちは真剣に耳を傾けていました。その後、小鼓と大鼓の実演体験を行い、徐々にリズムをつかみながら演奏を楽しみました。最後には、一日をめでたく締めくくる祝いの演目である「猩々」を鑑賞し、能囃子の魅力を存分に味わいました。
25日は、狂言師の河田全休 氏と由谷鈍行 氏をお迎えし、「きょうげんであそぼ!」を実施しました。最初に、狂言の基本である「ものまね」を体験し、子どもたちはお互いの動きを観察し、まねながら、表現の楽しさ・奥深さに引き込まれました。続いて、声の出し方や、狂言独特の「そろりそろり」と歩く動きを練習し、舞台での身体の使い方を学びました。その後、「柿山伏」を鑑賞しました。この演目では、柿をこっそり盗み食いする山伏と、それを懲らしめる柿の木の持ち主の掛け合いが描かれます。鑑賞後、子どもたちもそれぞれの役になりきって、大きな声を出しながら演じていました。
能囃子と狂言、それぞれの体験を通じて、子どもたちは日本の伝統芸能に親しみ、表現することの楽しさを学びました。リズムや間合いを大切にしながら演奏や演技をすることで、お互いと心を通わせる感覚を味わう、貴重な機会となりました。

